−あま(ama)−
・甘い汁を吸う(あまいしるをすう) 苦労しないで利益だけを得る。
・甘い酢(あまいす) 甘味を混ぜて甘くした酢。転じて、考えが甘いこと。好い加減な考え、態度。
・天降り(あまくだり)・天下り 1.天上界から地上界に降りること。また、その人。2.上役から下役へ、あるいは、官庁から民間への強制的なおしつけや命令。また、そのようにして任命された人。 類:●天降り人事 参考:天降り人事(あまくだりじんじ) 1.企業などの人事が上層部で勝手に決められ、それが強制的に下へ押し付けられること。2.特に、官庁の職員が、民間会社などの重要な地位に就任すること。
・天降る(あまくだる)・天下る 1.天上界から地上界に降下すること。 用例:万葉−4094「葦原の瑞穂の国を安麻久太利(アマクダリ)知らしめしける」 2.官庁から、天降り人事によって、民間へ就任する。
甘く見る(あまくみる) ものごとを軽く見て、安易に気を許したり、軽蔑したりする。 類:●侮(あなど)る●嘗(な)める
・甘酒進上(あまざけしんじょう) 子供の遊びで、敵方や鬼を囃すときに言う言葉。また、幼児を呼び寄せる時に使う言葉。 例:「ここまでおいで、甘酒進上」
・甘酒屋の荷(あまざけやのに) 天秤棒の前の箱に茶碗やお盆を、後ろの箱に甘酒の釜を据えていたところから、一方が熱いがもう一方は冷たいということで、片思いを言う洒落(しゃれ)。 類:●甘酒売りの荷
・余すところなく(あますところなく) 残らず。尽(ことごと)く。すっかり。 類:●悉(ことごと)く
雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
・甘茶を飲ます(あまちゃをのます) 上辺(うわべ)だけ巧いことを言って、他人の機嫌を取る。 類:●飴を嘗めさせる
・天つ乙女(あまつおとめ) 1.天上に住むと考えられる少女。天女。2.天女のように、美しく舞うところから、五節(ごせち)の舞姫のこと。 類:●天人(あまびと)●天人(てんにん)●あめびと
・海人なれや己が物から泣く(あまなれやおのがものからなく) 普通の人は欲しいものを持たないで泣くのに、海人は自分の持っている物を人が貰って呉れないで泣く。 ★自分のものが原因で泣く人を冷やかす意で使ったことわざか<国語大辞典(小)> 出典:「古事記−中」・「日本書紀−仁徳即位前(前田本訓)」 故事:「古事記−中」によれば、大雀命(おおさざきのみこと)と菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)とが、互に帝位を譲りあっていたとき、ひとりの海人が魚を献上したが、両皇子とも譲りあってこの魚を受け取らなかったので、海人は遂に魚を捨てて泣いたという。
・天の川を掻き流すよう(あまのがわをかきながすよう) 雄弁な人のこと。
・天邪鬼(あまのじゃく) 1.民話などに悪役として登場する鬼。 ★「瓜子姫」に出るものが有名。記紀神話の天探女(あまのさぐめ)に由来するともいわれる<大辞林(三)> 2.仏像で、仁王(におう)や四天王の足下に踏み付けられている小悪鬼。また、毘沙門(びしゃもん)の鎧の腹に付いている鬼面の名。3.何かにつけて人の意に逆らった行動ばかりをする、捻(ひね)くれ者。 類:●旋毛曲がり●臍曲がり
・海人の捨て舟(あまのすてぶね) 漁師が乗り捨てた舟のこと。 ★頼るもののない、儚い身の上を喩えて言うこともある<国語大辞典(小)>
・海人の濡れ衣(あまのぬれぎぬ・ぬれごろも) 海人は、常に濡れ衣を着ていることを「濡れ衣」にかけて、濡れ衣を着る、無実の罪を蒙(こうむ)る。
・雨夜の星(あまよのほし) 雨降りの夜の星の意味で、あっても見えないもののこと。または、極めて稀(まれ)なもの。
・余りと言えば(あまりといえば) あまりにも。程度が甚(はなは)だしく酷(ひど)い様子。特に、哀(あわ)れな人に同情するときなどに使う。 例:「あまりといえば気の毒な人で」
・余り物に福がある(あまりものにふくがある) → 残り物に福がある