−あれ(are)−
・吾か人か(あれかひとか) 自分なのか他人なのか判然としない状態。茫然として己を失っている状態。恍惚(こうこつ)としている状態。 用例:古今−九六三「我か人かと身をたどる世に」 類:●吾(われ)か●吾かにもあらず●吾か人にもあらず●吾にもあらず●茫然自失 用例の出典:古今和歌集(こきんわかしゅう) 平安初期の最初の勅撰和歌集。20巻。延喜5年(905)醍醐天皇の勅命により、紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑の撰。延喜13年(913)頃の成立とされる。読人知らずの歌と六歌仙、撰者らおよそ127人の歌1111首ばかりを、四季、恋以下13部に分類して収めたもの。仮名序と真名序が前後に添えられている。短歌が多く、七五調、三句切れを主とし、縁語、掛詞など修辞的技巧が目立つ。優美繊細で理知的な歌風は、組織的な構成とともに後世に大きな影響を与えた。「古今集」「古今」。 人物:紀貫之(きのつらゆき) 平安前期の歌人、歌学者。三十六歌仙の一人。?〜945。加賀介、土佐守など下級官を歴任、木工権頭(もくごんのかみ)に至る。醍醐天皇の勅命で「古今和歌集」撰進の中心となり、仮名序を執筆。歌風は理知的で技巧にすぐれ、心と詞の調和、花実兼備を説いて古今調をつくりだした。漢文学の素養が深く、「土佐日記」は仮名文日記文学の先駆とされる。ほかに「新撰和歌集」、家集「貫之集」など。
・あれよあれよ 意外な成り行きに驚いている様子を表わす言葉。多く、はらはらしながら見守るときや、見送るときに使う。 例:「あれよあれよという間にトップに躍り出た」