−あた(は)(ataha)−
・徒花(あだばな) 1.咲いても実を結ばない花。転じて、表面はそれらしく見えるが、実質や内容を伴わないものごとを喩えて言う。 類:●無駄花(むだばな) 用例:閑吟集「ならぬ徒花真白に見えて、憂き中垣の夕顔や」 2.咲いてもすぐ散ってしまう儚(はかな)い花。主に、桜を指す。また、儚く淡い恋の喩え。 類:●徒桜(あだざくら) 用例:夫木集−四「風をだに待つ程もなき徒花は」 3.季節外れに咲く花。〔日葡辞書〕 4.遊里で、客が芸妓などに祝儀(しゅうぎ)として渡す紙纏頭(かみばな)のうちで、後で現金と替えるつもりのないもの。 用例:浮・椀久二世物語「外聞ばかりの徒花を出し人々に嬉しがらせ」 用例の出典:閑吟集(かんぎんしゅう) 歌謡集。編者未詳、一説に連歌師宗長との説があるが、確証はない。1巻。永正15年(1518)。室町時代の小歌226首のほか猿楽、田楽、宴曲などを合わせて311首を収める。恋愛を中心とした人事の歌が殆どで、庶民の感情を伝え、江戸歌謡の基礎となった。
・仇は情け(あだはなさけ) 仇と思ったことが、却(かえ)って情けとなる。
・あたぼう 当たり前だ。当然だ。 類:●あた ★「当たり前だ、べらぼうめ」を縮約した言い方<大辞林(三)> 参考:箆棒(べらぼう)