−あた(ま)(atama)−
頭打ち(あたまうち) 1.相場、俸給などが一定の限界に達して、それ以上上がらなくなること。2.ものごとが限界に達して、それ以上の進展の見込みがなくなること。 類:●天井打ち
頭押さえりゃ尻ゃ上がる(あたまおさえりゃしりゃあがる) 一方を押さえると、もう一方が上がる。何もかもうまくいくことは難しいということの喩え。 類:●彼方立てれば此方が立たぬ●右を踏めば左が上がる
頭が良い(あたまがいい) 賢(かしこ)い。 例:「中学時代までは頭が良いと言われた」
頭が痛い(あたまがいたい) 1.頭痛がする。2.悩み事・心配事などで、苦悩する。 例:「どら息子の将来を考えると、頭が痛い」
頭が固い(あたまがかたい) 自分の考えに拘(こだわ)って、融通が利かない。頑固である。また、そういう人。 類:●石頭
頭が切れる(あたまがきれる) 利口(りこう)である。頭の回転が早く、てきぱきとものごとを処理する能力がある。
頭隠して尻隠さず(あたまかくしてしりかくさず) 1.かくれんぼなどで、全身隠れた積もりなのに、実際には頭だけで尻が丸見えになっていること。 類:●頭を蔵(かく)して尾を露(あらわ)す●雉の草隠れ 出典:「帰潜志−九」「王笑曰、此老所謂、蔵頭露尾耳」 出典:帰潜志(きせんし?) 史書。元代。劉祁(りゅうき)。・・・調査中。 2.転じて、悪事や悪戯(いたずら)などで、一部分だけしか隠してないのに、全部を隠したつもりでいるのを嘲(あざけ)って言う。 類:●柿を盗んで核(さね)を隠さず
頭が下がる(あたまがさがる) 他人の行為や性格に敬服させられる。尊敬の気持ちが起こる。
頭が低い(あたまがひくい) 態度が偉(えら)ぶっていないで、どんな人に対しても丁寧である。謙虚である。 類:●腰が低い
頭が古い(あたまがふるい) 1.考え方が古臭くて、時代にそぐわない。2.古い因習に拘(こだわ)って、融通が利かない。 類:●頑固●頭が固い
頭が回る(あたまがまわる) 利口(りこう)である。頭の回転が早く、てきぱきとものごとを処理する能力がある。
頭から水を浴びる(あたまからみずをあびる) 予期せぬことに見舞われて、ぞっとすること。
頭から湯気を立てる(あたまからゆげをたてる) とても怒っている様子。かんかんになっている様子。 類:●怒髪天を衝く●色をなす●(女)柳眉を逆立てる
頭熟し(あたまごなし) 相手の言い分を聞かず、初めから一方的に押さえ付けるような態度を取ること。 類:●あたまくだし 例:「頭ごなしに叱る」 ★「熟(こな)す」は、見下す・軽く扱う・貶(けな)すなどの意味。
頭でっかち(あたまでっかち) 1.身体(からだ)全体の割りに、頭が大き過ぎること。2.一般に、物の上部が下部に比べて不釣合いに大きいこと。 例:「頭でっかちな建物」 3.比喩的に、知識だけが豊富で実行が伴わない様子。理屈ばかり並べて実際には何もしないこと。 類:●マッチ棒 例:「塾通いでは頭でっかちになる」
頭でっかち尻つぼみ(あたまでっかちしりつぼみ)[=尻窄(すぼ)り] 頭ばかりが無闇に大きなこと。また、初めは大きく終わりが小さいこと。初めは勢いが良いが、終わりは駄目なこと。 類:●竜頭蛇尾
頭に来る(あたまにくる)[=へ来る] 1.怒りや悲しみや驚きのために、頭に血が上(のぼ)る。かっとなる。 類:●鶏冠(とさか)に来る●逆上する 2.酒の酔いや病毒などが頭に回る。3.気が変になる。狂人になる。 例:「とうとう頭に来やがったか」 4.意識に上(のぼ)る。思い出す。
頭に血が上る(あたまにちがのぼる) 感情が昂(たか)ぶり、冷静さを失う。興奮すると頭部に血が集まり、顔や耳が赤くなることから言う。 類:●逆上する●かっとなる
頭の上の蝿も追えぬ(あたまのうえのはえもおえぬ)
頭の黒い鼠(あたまのくろいねずみ) 頭髪の黒い鼠=人間のこと。鼠が物を盗むように、物を掠(かす)め取る人。家の中の物がなくなった時などに、それを盗んだのは、頭が鼠色の鼠でなくて、頭の黒い鼠=人間であろうと、犯人を仄(ほの)めかしていう。
頭の天辺から足の爪先まで(あたまのてっぺんからあしのつまさきまで) 全身の全部。上から下まで。また、一から十まで、全部。 類:●頭から尻尾まで●徹頭徹尾●天井から縁の下まで
頭を痛める(あたまをいためる) 心配事や苦労で頭を痛める。あれやこれやと心配する。
頭を抱える(あたまをかかえる) 途方に暮れて考え込む。困り果てる。
頭を下げる(あたまをさげる) 1.お辞儀(じぎ)をする。2.頼む。3.相手の力に屈する。降参する。謝(あやま)る。許しを請う。 例:「彼にだけは頭を下げたくない」 4.感心する。 例:「彼の実直さには頭が下がる」
頭を搾る(あたまをしぼる) あれこれ考える。色々と工夫する。 例:「ない頭を搾る」
頭を撥ねる(あたまをはねる) もと興行師仲間の用語。他人の利益の一部を掠(かす)め取るという意味。上前(うわまえ)を掠め取る。ピンハネする。 類:●上前(うわまえ)を撥ねる●ピンを撥ねる
頭を冷やす(あたまをひやす) 血が上った頭を冷ます。興奮した状態から、冷静になる。 例:「頭を冷やしてもう一度考え直せ」
頭を丸める(あたまをまるめる) 頭髪を剃ることから転じて、出家する。僧になる。
頭を擡げる(あたまをもたげる)[=持ち上げる] 1.押さえていた疑いなどが浮かび上がってくる、また、隠れていたある考えが浮かんでくる。思い付く。 例:「疑念が頭を擡げる」 2.次第に勢力を得て、人に知られるようになる。台頭してくる。
頭を割る(あたまをわる) 1.鈍器などで殴って頭蓋骨に傷を付ける。2.思いをあれこれ巡らす。苦心する。
仇も情けも我が身より出る(あだもなさけもわがみよりでる) 人から憎まれるのも愛されるのも、日頃の自分の心掛けや行ないの結果によるものである。普段から、人に対して軽々しい言動を控え、過ちのないようにしなければならないということ。 類:●因果応報●自業自得●身から出た錆●情けは人の為ならず