−えた(eta)−
・枝先に行かねば熟柿は食えぬ(えださきにいかねばじゅくしはくえぬ) 欲しいものを得たいのでであれば、危険を恐れてはいけない。また、望ましい境遇になるためには、相当の危険や困難が伴(ともな)うものであるということ。 類:●虎穴に入らずんば虎子を得ず 反:■君子危うきに近寄らず
・枝の雪(えだのゆき) 苦学すること。 類:●蛍雪●窓の雪 用例:源氏−乙女「窓の蛍をむつび、えだの雪をならし給ふ心ざしの」 故事:「蒙求−孫康映雪」 中国、晋の孫康が、貧しかったので、雪を集め、灯火の代わりとして勉強したという。 出典:蒙求(もうぎゅう) 中国の類書。唐の李瀚撰。古代から南北朝時代までの古人の伝記・言行で相似するものを二つずつ四字韻句とし、八句ごとに韻をかえたもの。後世まで初等教科書として用いられ、日本でも平安時代以来多く読まれた。
・枝葉が咲く(えだはがさく) ものごとが、枝が伸びるように、次から次へと多方面に発展していく。 類:●枝が咲く
・得たり顔(えたりがお) 得意そうな顔。 類:●したり顔 例:「得たり顔に(で)説明する」
・得たり賢し(えたりかしこし)・得たりや賢し 自分の思う通りに事が運んだようなときに、満足して発する言葉。 用例:太平記−一五「得たり賢しと三千余騎の兵共抜き連て」 類:●うまくいった●しめた●得たり得たり●得たりや得たり●得たりかし
・枝を交わす(えだをかわす) 男女の愛情の深いことをいう喩え。永遠に変わらぬ契りを結ぶこと。 用例:源氏−桐壺「朝夕のことぐさに羽を並べ枝をかはさむと契らせ給ひしに」 ★「連理の枝」から。
・枝を撓めて花を散らす(えだをためてはなをちらす) それほど重要でない欠点を直そうとして、却(かえ)って重要な部分を傷つけたり全体を損ったりすることの喩え。 類:●角を矯めて牛を殺す●枝を伐って根を枯らす
・枝を鳴らさず(えだをならさず) 世の中が静かに治まっていて、平和である。 出典:「論衡」