−はく(haku)−
・博愛衆に及ぼす(はくあいしゅうにおよぼす) 全ての民衆を広く平等に愛する。 類:●一視同仁
・博引旁証(はくいんぼうしょう) ものごとを説明するにあたり、数多くの書物などを漁(あさ)って用例を多く集め、それらを証拠として挙げながら論ずること。
・箔が落ちる(はくがおちる) 「箔」は、貼り付けに使う紙のように薄く伸ばした貴金属のことで、この箔が落ちるという意味から、元の地金や本性が現れて値打ちが下がったり、貫禄がなくなったりすること。 類:●箔が剥げる●鍍金(めっき)が剥げる 反:■箔が付く
・箔が付く(はくがつく) 値打ちに重みが付く。貫禄が付く。評価が高くなる。 ★「箔」は、能装束の縫箔、または摺箔の略とも言う。縫箔は刺繍のようなもの、摺箔は金箔や銀箔を糊などで直接に接着させ模様を表現する技法。能で、豪華な衣装を着るほどの役になることからか。
・伯牙絶絃(はくがぜつげん) 愛用の楽器の弦を断つこと。転じて、慣れ親しんだ物、人、行為と決別すること。 故事:「蒙求」 中国古代の琴の名人伯牙が自分の技量をもっとも理解してくれた鍾子期に死別してから愛用の琴の弦を断ち、二度と琴を弾かなかった。
・白眼(はくがん)
・白玉楼(はくぎょくろう)
・莫逆の友(ばくげきのとも) 「莫逆」は、心に逆らうことがないという意味。極めて親密な間柄のこと。非常に親密な友。親友。 出典:「荘子−内篇・大宗師」
・莫逆の交わり(ばくげきのまじわり・ばくぎゃくの〜) 心に逆らうことの莫(な)い付き合いという意味で、極めて親しい付き合いのこと。 類:●刎頚の交わり●管鮑の交わり●金蘭の交わり●膠漆の交わり●水魚の交わり●断金の交わり
・白紙に返す(はくしにかえす)[=する・戻す] それまでの経緯は無かったものとして、元の状態に戻す。 例:「契約を白紙に返す」
・拍車を掛ける(はくしゃをかける)[=加える] 馬の腹に拍車を当てて馬を進ませるところから、事の進行を一段と速める。ものごとの進行に一段と力を添える。
・麦秀の嘆(ばくしゅうのたん) 「秀」は麦の穂のこと。亡国の悲しみ。また、国が滅んだ跡。 故事:「史記−宋微子世家」 紂王(ちゅうおう)を諫(いさ)めて聞き入れられなかった殷の箕子(きし)が、国が滅んだ後、旧都の跡を通り、そこに麦が伸びたままになっているのを見て悲しんで詩「麦秀の歌」を作った。
・柏舟の操(はくしゅうのみさお) 夫亡き後も妻が貞節を守って再婚しないこと。 類:●古井無波 出典:「詩経−よう風」にある「柏舟」という詩
・白水眞人(はくすいしんじん) 銭の異称。「白」と「水」を合わせると「泉」、「眞」と「人」を合わせると「貨」という字になる。古代中国では銭のことを「泉貨」と呼んでいたところから。 出典:「後漢書」
・莫大もない(ばくだいもない) 「莫大」は、この上もなく大きい・多いという意味で、「莫大」を更に強めて言う言葉。
・爆弾を抱える(ばくだんをかかえる) 1.爆弾を保持している。転じて、いつ表面化してもおかしくない重大なリスクを孕(はら)んでいる。 例:「不良債権という爆弾を抱えている」 2.特に、スポーツ選手などが、いつ再発してもおかしくない故障箇所を持っている。 例:「膝に爆弾を抱えた力士」 ★頻繁に使われるようになったのは、平成に入ってからか。
・伯仲の間(はくちゅうのかん) 「伯」「仲」は、長兄・次兄という意味。お互いに優劣の差がない間柄のこと。 類:●兄たり難く弟たり難し
・白髪三千丈(はくはつさんぜんじょう) 白髪が非常に長く伸びることを誇張して言った言葉。心配事や悲嘆が積もることの形容。 出典:李白の詩「秋浦歌」
・白馬は馬に非ず(はくばはうまにあらず) 中国の公孫竜(こうそんりゅう)が唱えた論。馬とは形についての概念であり、白い馬とは色についての概念であるから、馬と白馬は違う概念であるという論。詭弁(きべん)の例とされる。 類:●白馬非馬論 出典:「公孫竜子−白馬論」 出典:公孫竜子(こうそんりゅうし) 論理学の書。公孫竜。前260年頃。元14巻、現存するのは「白馬非馬」「堅白石」など3巻6編のみ。名(名称)と実(本質)の関係を論じたもの。
・白眉(はくび)
・薄氷を履む(はくひょうをふむ)・踏む 薄くて割れ易い氷の上を踏むということで、非常に危険な情況に臨むことの喩え。 類:●深淵に臨むが如し●虎の尾を踏むが如し●春氷を踏むが如し●剣の刃を渡る 出典:「詩経−小雅・小旻」「戦戦兢兢、如臨深淵、如履薄冰」
・白璧の微瑕(はくへきのびか) 白く美しい玉に僅かな瑕(きず)があるように、殆ど完全なものに少しの欠点があることの喩え。 類:●玉に瑕 出典:「陶淵明集−序」(昭明太子撰)
・はぐらかす 1.連れに気付かれないよう似その場を離れる。連れの人をはぐれるようにする。はぐれさせる。 用例:伎・阿国御前化粧鏡−序幕「伊平太さまをはぐらかして」 2.相手の追及を逃れようと、話題を変える。話の焦点をずらす。話を逸(そ)らして誤魔化(ごまか)す。 類:●言い紛らす 例:「質問をはぐらかす」 用例:洒・青楼昼之世界錦之裏「しったかしらねへはとはぐらかす折ふし」 用例の出典:青楼昼之世界錦之裏(せいろうひるのせかいにしきのうら) 洒落本。山東京伝。寛政3年(1791)。遊女の昼間の生活を描いたもの。後一条帝の御代(1016〜1036)、摂州川辺郡の神崎という廓の、ある冬の明け方から昼七ツ(午後4時ごろ)までが舞台。寛政の改革の一環として発令された出版取締令に触れるものとして処分され、絶版を命じられた。
・伯楽の一顧を得る(はくらくのいっこをえる) 馬の善し悪しを見分ける博労(ばくろう)に名馬であると認められる。優れた人物の知遇を得て世に出る機会を得ることの喩え。優れた人物にその才能を評価されて、篤い待遇を受ける喩え。 故事:「戦国策−燕策」 馬が一向に売れないので伯楽に頼んで、立ち去り際にその馬を一度振り返って貰ったところ、その馬の値が10倍になった。
・博覧強記(はくらんきょうき) 書物を広く読んだり見聞を深めたりしていて、豊かな知識を持っていること。また、その様子。
・ぱくる 俗語。 1.口を大きく開けて食べる。ぱくぱく食べる。 ★擬音語の「ぱくぱく」「ぱくつく」などから。 2.店先の商品などを掠(かす)め取る。また、金品を騙(だま)し取る。 類:●盗む●かっぱらう●くすねる 例:「母の財布から一万円をぱくった」 ★一説に、店先の食品を「(無賃で)ぱくつく」ことからかと言われる。 ★戦前の旧制中学などで、ドイツ語「掴む:packen」からこの言葉を言っていたという話がある<雑学庫[知泉]> 3.犯人などを逮捕する。検挙する。 例:「酔って痴漢をしてぱくられた」 ★使われ始めたのは、1980年代末頃からと思われる<雑学庫[知泉]>
・箔を付ける(はくをつける) 貴金属の箔を付けるという意味から、貫禄を付けたり、値打ちに重みを付けたりすること。 反:■鍍金(めっき)が剥げる