−はま(hama)−
・蛤で海をかえる(はまぐりでうみをかえる) 「かえる」は汲み出すこと。蛤の貝殻で海の水を測るなどという、到底(とうてい)成し遂げることができないこと。いくら努力しても無駄なこと。 類:●大海を手で塞く 参考:東方朔「答客難」「以管天、以蠡測海」 人物:東方朔(とうぼうさく) 中国前漢の文人。前154頃〜前92頃。字は曼倩(まんせん)。諧謔、諷刺の才に優れ武帝に寵愛された。西王母の仙桃を盗んで食べた話など数々の逸話で知られる。著に「東方先生集」「非有先生論」などがある。 参考:東方先生集(とうぼうせんせいしゅう) ・・・調査中。
・蛤踏む心地(はまぐりふむここち) 潮干狩りのとき、足で探(さぐ)って蛤を取るのは大変であることから、歩き疲れた状態の喩え。
・蛤能く気を吐いて楼台を成す(はまぐりよくきをはいてろうだいをなす) 古く中国で、大蛤(=蜃(しん))が吐く気で海中から楼台の形が現れるとされていた。 類:●蜃気楼 出典:「史記−天官書」
・浜千鳥の跡(はまちどりのあと) 浜にいる千鳥が、砂の上を歩いて付けた足跡のこと。「文字」の暗喩。 ★中国の故事では、鳥の足跡を見て文字を作り出したといわれる。
・浜の真砂(はまのまさご・まなご) 砂浜の砂。数が多くて数え切れないところから、無数にあるもののこと。 ★「真砂」の真は、美称<大辞林(三)>
・浜も狭に(はまもせに) 浜辺を塞(ふさ)ぐほど大量にものがある様子。広い浜辺も狭くなるほど沢山(たくさん)。 用例:万葉−1780「御船出でなば浜毛勢爾(はまモセニ)」