−はな(あ)(hana1)−
・鼻脂を引く(はなあぶらをひく) 1.表面が滑(なめ)らかになるように鼻脂を塗る。2.巧くいくように十分準備する。 用例:太平記−三「中差(なかざし)に鼻油(ハナアフラ)引て待懸たり」 3.最後の仕上げをする。 用例:太平記−三「えびらより金磁頭(かなじんどう)を一つ抜き出し、鼻油引いて」
・鼻息が荒い(はないきがあらい) 意気込みが激しい。思い込みが強く、人の説を受け付けない。強気である。
・鼻息鳴らす(はないきならす) 鼻息が荒々しい。腹を立てたりして興奮している様子。
・鼻息を窺う(はないきをうかがう) 恐る恐る人の意向を探る。人の機嫌を窺う。相手が気に入るように行動する。 例:「上司の鼻息を窺う」
・花一時人一盛り(はないっときひとひとさかり) 1.花が美しく咲き誇るのも僅(わず)かな期間に過ぎない。人の最盛期も、ごく短期間であるということ。 類:●花七日 2.特に女性にとって、まるで花が匂い立つような、盛りの時期はごく短いものである。
・鼻うそやぐ(はなうそやぐ)[=うそあく] 可笑しさに堪え切れず、鼻がくすぐったくなり笑い出しそうになる。 用例:源平盛衰記−一九「佐殿鼻うそやぎては思はれけれ共」 用例の出典:源平盛衰記(げんぺいじょうすいき・せいすいき) 鎌倉時代の軍記物語。48巻。作者、成立年代共に未詳(1250年頃か)。源平の興亡、盛衰を多くの挿話、伝説、故事を交えつつ描く。「平家物語」の異本の一種とみられる。源氏関係の記事、仏教説話、中国故事などが増補され詳細だが、表現の格調、風韻は「平家物語」に劣り、物語としては散漫。
・鼻歌交じり(はなうたまじり) 1.鼻唄を歌いながらのんびりとものごとをすること。2.転じて、真剣味に欠けていること。 例:「鼻歌交じりで試合に向かう」