−はな(を)(hanawo)−
・鼻を明かす(はなをあかす) 出し抜いたり思い掛けないことをしたりして、優位に立っていた相手を驚かせる。 例:「ライバルの鼻を明かす」
・鼻を蠢かす(はなをうごめかす) 得意そうにしている様子。
・鼻を打つ(はなをうつ) 1.鼻汁を啜(すす)る。2.臭気が鼻を刺激する。強く嗅覚を刺激する。 類:●鼻を突く
・鼻を折る(はなをおる) 1.慢心を挫(くじ)く。相手に恥を掻かせる。 類:●鼻柱を折る●鼻柱をへし折る●鼻柱を挫く 2.得意ぶっているのが挫ける。 類:●兜を脱ぐ
・花を折る(はなをおる) 花を折って翳(かざ)すという意味で、衣装や身繕(づくろ)いを華やかにする。美しく着飾る。
・鼻を欠く(はなをかく) 多くの犠牲を払う。得るものより失うものが多い。 用例:平治−中「信頼は一日の軍に鼻を欠きけり」
・鼻をむ(はなをかむ)[=洟を〜] 1.溜まった鼻汁を息で出して、紙などで拭き取る。2.すすり泣くことの喩え。
・花を咲かせる(はなをさかせる) 1.華やかにする。賑(にぎ)やかにする。盛んにする。 例:「噂話に花を咲かせる」 2.栄えるようにする。成功する。名声を上げる。 類:●一花咲かす●名を揚げる
・花を添える(はなをそえる) 美しいものの上に、更に美しさを加える。華やかさを増す。 例:「錦上花を添える」
・鼻を高くする(はなをたかくする) 面目を施(ほどこ)す。自慢する。得意になる。 類:●鼻を膨らめる
・鼻を突き合わす(はなをつきあわす) 非常に近く寄り合う。狭い場所にたくさんの人が集まっている。
・鼻を突く(はなをつく) 1.主君から勘当される。また、しくじって咎(とが)めを受ける。失敗する。衝突する。楯突く。 類:●突鼻(とつび)●鼻突き 用例:宇津保−俊蔭「御ともにつかうまつりたりし人々は、みなはなつきはなたれぬ」 2.嗅覚を刺激する。 類:●鼻を打つ 例:「酒の臭いがぷんと鼻を突く」 3.狭い場所にたくさんの人が集まっている状態。 類:●鼻を突き合わす
・鼻を撮まれても知れぬ(はなをつままれてもしれぬ)[=分からぬ] 真っ暗で、一寸先も見えないことの喩え。
・鼻を鳴らす(はなをならす) 1.鼻に掛かった声を出す。また、甘えたような動作をする。 例:「指輪が欲しいと鼻を鳴らす」 2.小馬鹿にしたような動作をする。軽蔑する。
・鼻を嚏る(はなをひる) くしゃみをする。
・花を見て枝を手折る(はなをみてえだをたおる) 皆が美しい花を観賞しているのに、その枝を折って持ち帰るという意味から、優美なものに対して、その味わいや趣(おもむき)が分からないこと。また、そのような心無い振る舞い。
・花を持たせる(はなをもたせる) 勝利や功名を相手に譲る。相手を立てる。 例:「部下に花を持たせる」
・花をやる(はなをやる) 1.華やかな格好をする。華美な装いをする。着飾る。 用例:俳・犬子集−二「年年に花をやるなり姥桜」 2.豪勢な遊びをする。豪勢な暮らしをする。楽しいことをする。特に、色事をする。 用例:浮・日本永代蔵−一「爰の都に花をやって、春をゆたかに暮され」 3.世に持て囃される。評判になる。人気を集める。 用例:随・独寝−下「黒文字の上々といふ評判にのって、たんと花をやりぬれば」 用例の出典@:犬子集(えのこしゅう) 江戸初期の俳諧集。17巻5冊。松江重頼編。寛永10年(1633)。発句1530、付句1000余を集め、貞門俳諧の最初の選集として価値が高い。 用例の出典A:独寝(ひとりね) 随筆。柳沢淇園(きえん)。享保10年(1725)頃。・・・詳細調査中。