−はら(な)(hara5)−
・腹に一物(はらにいちもつ) 心中に蟠(わだかま)りがあること。心の中に企みごとを持っていること。 類:●胸に一物 例:「腹に一物ある御仁」
・腹に収める(はらにおさめる) 聞き知ったことを、他人に言わずに心に留めておく。 類:●腹に仕舞う
・腹に落ちる(はらにおちる) 納得する。なるほどと思う。事情が良く理解できて、心の底から合点が行くこと。 類:●得心が行く●合点が行く
・腹に据え兼ねる(はらにすえかねる) 怒りを抑えることができない。 反:■腹を据える
・薔薇に棘あり(ばらにとげあり) 薔薇はとても美しい花だが、摘もうとするとその鋭い棘で指を傷付ける。一見美しく淑(しと)やかそうな女性も、隠れたところに人を傷付ける要素を持っているものだという喩え。 類:●綺麗な薔薇には棘がある●外面如菩薩内心如夜叉 ★英語の諺Every rose has its thorn.から。
・腹に持つ(はらにもつ) 心の奥底に溜めて、いつまでも忘れないこと。心に恨みを持っていること。 類:●根に持つ
・腹の皮が張れば目の皮が弛む(はらのかわがはればめのかわがたるむ) 1.食事を採って腹が一杯になれば、自然と眠くなるものである。2.飽食(ほうしょく)は怠惰(たいだ)の元だということ。 類:●大食腹に満つれば学問腹に入らず●A belly full of gluttony will never study willingly.
・腹の皮を縒る(はらのかわをよる)[=筋(すじ)を〜][=捩(よじ)る] 可笑しさに、腹の皮が捩(よじ)れるほど大笑いをする。可笑しくて堪(たま)らない様子。 類:●腹の筋を縒る●腹を切る●腸(はらわた)を切る●腸を断つ
・腹の探り合い(はらのさぐりあい) お互いに、相手の真意を推し量ろうと、心の中を伺う。勝負に勝つため、相手の出方を見て、その戦法を見極める。 類:●鎌の掛け合い●化かし合い
・腹の虫(はらのむし)[=中の虫] 1.人体の腹中に寄生する虫。回虫(かいちゅう)の類(たぐい)。2.空腹時の腹鳴りを、腹中に虫がいて、それが鳴くものとしていう言葉。 例:「腹の虫が鳴く」 3.機嫌の良し悪しなどの感情の起伏を腹の中にいる虫によって起こるものとしていう言葉。腹立ちや不満などの感情。 例:「腹の虫が治まらない」
・腹の虫が治まらない(はらのむしがおさまらない)[=承知しない] 癪(しゃく)に障(さわ)って我慢ができない。腹立つ気持ちを抑え難い。
・腹の虫の居所が悪い(はらのむしのいどころがわるい) 機嫌が悪い。