−はし(な)(hasi5)−
・端なくも(はしなくも) 思い掛けなくも。 類:●図(はか)らずも ★「端なく」に詠嘆の気持ちを込めた言い方。 参考:端なく(はしなく) これという兆(きざ)しもなく。図らず。ふと。ゆくりなく。 用例:俳・新花摘「四更ばかりに、はしなくまくらもたげて見やりたるに」 用例の出典:新花摘(しんはなつみ) 発句・俳文集。一冊。与謝蕪村。寛政9年(1797)刊。俳論、見聞録や怪異談を収める。亡母追善のために、一日十句の形式で毎日句作した137句の発句と、発句平句論・骨董論・五つの孤狸(こり)談などの散文から成る。蕪村没後、門人の月渓(げっけい)が、自ら挿絵を描いて刊行したもの。
・恥なし(はじなし) 1.容貌や教養などが、人前へ出ても恥ずかしくない。見劣りしない。後(おく)れを取らない。 用例:源氏−絵合「今の浅はかなるも、昔のあとはぢなくにぎははしく」 2.人前でも恥ずかしがらない。厚かましい。厚顔である。 用例:源氏−乙女「うち合はずかたくなしき姿などをもはぢなく」
・箸にも棒にも掛からぬ(はしにもぼうにもかからぬ) あまりに酷(ひど)過ぎてなんとも取り扱いようがない。どうしようもない。手が付けられない。 類:●箸にも掛からぬ●縄にも蔓にも掛からぬ●煮ても焼いても食えぬ ★箸を使って取り上げたものか棒を使って取り上げたものかさえ迷うような酷いもの、ということから。 出典:教草女房形気(おしえぐさにょうぼうかたぎ) 合巻本。山東京山、鶴亭秀賀。25編50冊。弘化3年(1846)〜明治元年(1868)。八文字屋本の気質物に倣った作風で、町家の女房たちを扱った全部で5話からなる続きもの。各編の序で和漢の故事を引き、婦女子に対する道徳教訓を説いた。
・箸の上げ下ろし(はしのあげおろし) 箸を上げたり下ろしたりするような、細かな一挙一動。ちょっとした動作。些細なこと。 例:「箸の上げ下ろしにまで文句を言う」
・恥の上の損(はじのうえのそん) 恥を掻いただけでなく、更に損をすること。
・恥の上塗り(はじのうわぬり)[=掻(か)き上げ] 恥を掻いた上に、更に恥を掻く。重ねて恥を掻く。
・恥の恥(はじのはじ) 恥を掻いた上に、また恥をかくこと。 類:●恥の掻き上げ●恥の上塗り