−はし(ま)(hasi7)−
・始まらない(はじまらない) 「〜しても始まらない」の形で使う。なんにもならない。しても無駄である。それほどの効果もない。 用例:滑・浮世風呂−二「気を腐したってはじまらねへ事だ」
・初め有らざるなし、克く終わり有るは鮮なし(はじめあらざるなし、よくおわりあるはすくなし) 民は最初は善を慕う心を持っているが、善を全(まっと)うする人は少ない。誰でもものごとのし始めは立派であるが、最後まで貫く者は少ない。有終の美を飾ることが出来る者は少ないということ。 出典:「詩経−大雅・蕩」「靡不有初、鮮克有終」
・始め有るも終わり無し(はじめあるもおわりなし) 小人(しょうじん)は仕事を始めても、それを成就しないものである。人に節操がないことの喩え。 類:●初め有らざる靡し克く終わり有るは鮮なし 出典:「晋書−劉聡載記」
・始め有る者は必ず終わり有り(はじめあるものはかならずおわりあり) ものごとには必ず始めと終わりがある。ものごとが永遠に続くことは有り得ない。生を受けたものは必ず死ななければならない。 出典:「揚子法言−君子」「有生者必有死、有始者必終、自然之道也」 用例の出典:法言(ほうげん) 中国の儒学書。13巻。前漢。揚雄撰。「論語」の体裁(ていさい)を模して聖人を尊び王道を論じたもの。道家(どうか)の言葉で儒教を説き、孟子・荀子の調和を試み性善悪混淆説を唱える。「揚子法言(ようしほうげん)」。 人物:揚子(ようし)・揚雄(ようゆう) 中国、前漢末の文人思想家。字は子雲。前58年〜後18年。成帝の側近に仕え「甘泉賦」「長楊賦」などを作った。思想家としてもすぐれ、著に「太玄経」「揚子法言」「方言」「蜀王本紀」など。
・初めから長老にはなれず(はじめからちょうろうにはなれず) 何事も一足(いっそく)飛びにはいかないものだ、ということの喩え。
・始め煌き(はじめきらめき) 1.ものごとが初めばかり華々しいこと。2.ものごとの始めをきちんとすること。
・始めたる(はじめたる) 1.初めての。最初の。 用例:栄花−つぼみ花「ことのほかにめでたければ、これをはじめたる例になりぬべし」 2.下に打ち消しの言葉を伴って、今に始まったことではない。目新しいものではない。 用例:曾我物語−三「はじめたる事にはあらね共」
・始めつ方(はじめつかた) 始めの方。最初の頃。 類:●前方(まえかた)
・始めのあらまし(はじめのあらまし) ものごとの起こりから現在までの過程の凡(おおよ)そのこと。ものごとの始終を説明するときに使う言葉。 類:●始めの首尾
・始めの煌めき(はじめのきらめき) 1.ものごとが初めばかり華々しいこと。2.ものごとの始めをきちんとすること。
・始めの囁き後のどよみ(はじめのささやのちのどよみ)[=どよめき] 初めは秘密にしてひそひそと話していただけのことが、やがて後には世間の評判となり、大勢に言い騒がれること。
・始めの首尾(はじめのしゅび) ものごとの起こりから現在までの過程の一部始終。ものごとの顛末(てんまつ)を説明するときに使う。 類:●始めのあらまし
・始めは処女の如く、後は脱兎の如し(はじめはしょじょのごとく、のちはだっとのごとし) 孫子の兵法の1つ。初めは弱々しく見せ掛けて敵を欺(あざむ)き、後には見違えるような強い力を示して攻撃する。 出典:「孫子−九地」「是故始如處女、敵人開戸、後如脱兎、敵不及拒」
・始めを原ね終わりに反る(はじめをたずねおわりにかえる) ものごとの始めから終わりまでを残らず知る。ものごとの全体を知り尽くす。 出典:「易経−繋辞・上」
・恥も外聞もない(はじもがいぶんもない) 恥じることもなく、世間の噂も気にしない。体面や面目などを意に介さないで、ものごとに一途(いちず)になっている様子。 例:「恥も外聞もなく泣いて命乞いした」