−はす(hasu)−
・筈が合わぬ(はずがあわぬ) 弓の弦に筈が合わないという意味で、ものごとの調子が巧く合わないこと。良く適合しないこと。また、予想が巧く当たらないこと。 用例:浮・傾城禁短気「人の妻(さい)となつて筈が合わず」
・恥ずかしながら(はずかしながら) 恥ずかしいことですが。面目(めんぼく)ない、決まりが悪い、と引け目を感じながら述べるときの前置きの言葉。また、自分を謙遜して言う言葉。 類:●汗顔の至り 例:「恥ずかしながら小生の作です」
・蓮っ葉(はすっぱ) 言動が浮薄なこと。特に、女性の態度や行ないに品がないこと。また、そのような女。 →「蓮葉(はすは)」 類:●お転婆●お侠(きゃん) 例:「蓮っ葉な女」 ★「蓮葉」の促音添加<大辞林(三)> 補注:語源については蓮の葉商いが際物商売で、その場限りであることからとも、「斜端(はすは)」の意ともいい、諸説がある<国語大辞典(小)>
・筈に掛かる(はずにかかる) 相撲の「筈押し」から転じて、ものごとの進行が順調な態勢に入ったり、攻撃が有利な態勢になったりすること。
・バスに乗り遅れる(ばすにのりおくれる) 1.時流に取り残される。他人に遅れを取る。2.好機を逃す。方向転換や切り替えの時を誤まる。 ★英miss
the busから<国語大辞典(小)> ★元来は、miss the boatであったという。
・蓮葉(はすは・はすば・はすわ) 1.蓮の円く楯形をした葉。2.浮薄なこと。軽弾みなこと。軽率なこと。言動に慎みがないこと。 用例:伎・けいせい弘誓船「辞りなしに首切る云は、ほんに蓮葉な仕方ではあるぞ」 3.特に、女性の態度や動作が下品で軽弾みなこと。浮気なこと。 類:●蓮っ葉 用例:長唄・京鹿子娘道成寺「都育ちははすはな者ぢゃえ」 4.なまめかしく、異性をひきつけること。また、浮気なこと。また、その様子。 用例:浄・八花形「なさけも有つて蓮葉に見えて、どうでも男のなりふりぢや」 5.服装や造りなどが、軽薄なまでに派手であること。 用例:浄・鬼鹿毛無左志鐙−二「金元結の茶筌髪、二つ刀の落差し、蓮葉で華奢で」 ★蓮の葉商いが際物商売で、その場限りであることからとも、「斜端(はすは)」の意ともいい、諸説がある<国語大辞典(小)> 用例の出典@:けいせい弘誓船(けいせいぐぜいのふね) 歌舞伎狂言。近松門左衛門か? 元禄13年(1700)。作者名がないが、近松作と推定。この年「花に酔えり 其近松の門の海老」と評判記に記される<近松門左衛門でござーい!> 用例の出典A:京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ) 長唄、歌舞伎。宝暦3年(1753)。藤本斗文作詞、杵屋作十郎・弥三郎作曲。安珍清姫の伝説に基づいて作られた能の『道成寺』が原作。 用例の出典B:傾城八花形(けいせいやつはながた) 浄瑠璃。錦文流。8巻。元禄16年(1703)?。竹本座初演。・・・詳細調査中。
・弾みが付く(はずみがつく) 調子や勢いが良くなること。ものごとが勢いに乗って調子良く進むようになること。 類:●調子が付く●勢いが付く
・弾みを打つ(はずみをうつ) 反動で跳ね返る。物が反動で弾き飛んだり、弾んだりすること。 例:「弾みを打って尻餅を付く」
・弾みを食う(はずみをくう)[=食らう] 他の余勢を受ける。他の勢いに巻き込まれる。
・筈を合わす(はずをあわす)[=に合わす] 1.調子を合わせる。 類:●ばつを合わせる 2.約束を果たす。[日葡辞書]