−はち(hati)−
・罰当たり(ばちあたり) 1.罰(ばち)が当たること。また、その人。2.罰が当たるのも当然のような、悪い行ないをした者を罵(ののし)る言葉。多く、神仏を蔑(ないがし)ろにする者や、親不孝者などに言う。 例:「この罰当たりめが」
・鉢合わせ(はちあわせ) 1.出合い頭に、頭と頭をぶつけること。正面衝突すること。物と物とがぶつかること。2.思い掛けず出会うこと。 例:「山道で熊と鉢合わせした」 3.二つ以上の事件などが同時に起こること。 類:●搗(か)ち合う
・罰が当たる(ばちがあたる) 神仏が、人間の悪行を罰して、その懲らしめ、償(つぐな)いとして苦しみを与えること。 類:●祟(たた)る ★「ばち」は呉音<国語大辞典(小)>
・破竹の勢い(はちくのいきおい) 竹は縦に一筋割れ目を入れると、次々に割れていくところから、猛烈な勢いで進むこと。また、勢いが盛んで抑え難いこと。 用例:「北史−周高祖紀」
・発言放つ(はちげんはなつ) 大言壮語するという意味で、自分の力でできそうもない大きな事を出任せに言うこと。 類:●広言を吐く●大風呂敷を広げる●大言壮語する
・八細工七貧乏(はちさいくしちびんぼう) 器用さが災いして却(かえ)って貧乏すること。 類:●器用貧乏
・八十の手習い(はちじゅうのてならい) 年を取ってから学問を始めること。晩学の喩え。 類:●六十の手習い
・八十の三つ児(はちじゅうのみつご) 老齢になって、再び幼児のようになること。 類:●八十のちょろちょろわっぱ
・八十八の祝い(はちじゅうはちのいわい) 88歳に達したとき、その高齢を慶(よろこ)ぶ祝い。米(よね)の祝い。 類:●米寿(べいじゅ)
・八十八の枡掻き(はちじゅうはちのますかき) 商売繁盛の縁起を祝い、88歳の米寿の人から、米の枡掻き用の、竹製の棒を作って貰う。
・八十八夜の別れ霜(はちじゅうはちやのわかれじも) 八十八夜の頃に遅霜(おそじも)が降(お)りることがあるので注意しなさいということ。また、それを境にもう暖かくなるから、種蒔(ま)きや田植えをしなさいということ。 類:●八十八夜の忘れ霜[=霜別れ・別れ小霜・名残霜]●五月五日の別れ霜 ★農事から出た諺。「八十八夜」は立春から88日目の日で、今の暦では5月1・2日頃に当たる。農家では霜害(そうがい)がなくなることを確認し、種蒔きの目安とする。
・蜂の巣を突付いたよう(はちのすをつついたよう)[=破ったよう] 騒ぎが大きくなって、手が付けられないようになること。 類:●上を下への大騒ぎ●鼎の沸くが如し
・罰は目の前(ばちはめのまえ) 悪行には、必ずすぐにその報いがある。 類:●天罰覿面
・八幡掛けて(はちまんかけて) 1.八幡神に掛けての意味で、嘘偽りのないことを表わす。誓って。本当に。 例:「八幡掛けて、忠誠を誓います」 2.後ろに打消しを伴なって、決して。断じて。 ★「八幡神」は、一般には応神(おうじん)天皇を主座とし、神功(じんぐう)皇后、比売神(ひめがみ)または仲哀(ちゅうあい)天皇を合わせた三神をいう<国語大辞典(小)>
・八面玲瓏(はちめんれいろう) 1.どの方面から見ても美しく鮮明であること。 出典:馬煕の詩「開窓看雨」 2.心中に些(いささ)かの曇りも蟠(わだじゃま)りもないこと。3.交際振りが、誰に対しても円満・巧妙であること。
・八面六臂(はちめんろっぴ) 1.八つの顔と六つの腕。仏像などに見られる。2.転じて、多方面に目覚ましい手腕を発揮すること。多才で、一人で数人分の働きをすること。 類:●三面六臂 例:「八面六臂の大活躍」