−はつ(hatu)−
・ばつが悪い(ばつがわるい) その場の調子が悪い。具合いが悪い。決まりが悪い。 例:「黙祷中に腹が鳴ってばつの悪い思いをした」 ★「ばつ」は、「場都合」の略かという<大辞林(三)>
・白駒の隙を過ぐるが如し(はっくのげきをすぐるがごとし・ひまを〜) 白馬が駆け抜けていくのを壁の隙間から垣間見たという意味で、歳月の経過が早いことの喩え。 出典:「荘子−知北遊」
・抜苦与楽(ばっくよらく) 《四熟》 1.元は仏教の語で、仏や菩薩(ぼさつ)が衆生(しゅじょう)を苦しみから救い、福楽を与えること。仏の慈悲のこと。 出典:「大智度論−27」「大慈与一切衆生楽、大悲抜一切衆生苦」 2.苦しみを除いて、安楽を与えること。
・ばっくれる 1.「しらばっくれる」の俗語。知っていながら知らない振りをする。 類:●白(しら)を切る 2.転じて、大切な仕事から逃げ出す。 類:●サボる ★警察などでの隠語が一般化したもの<デイリー新語辞典(三)>
・抜山蓋世(ばつざんがいせい) 山を抜くほどの力と、世を覆い尽くすほどの気力。威勢が極めて強く、元気が非常に盛んであること。英雄の勇壮な気概を言ったもの。 類:●抜山翻海●抜山倒河●山を抜く●力山を抜き気は世を蓋う 出典:「史記−項羽本紀」「力抜山兮気蓋世」
・はったりを掛ける(はったりをかける) 相手を脅すために実際以上に誇大に言ったり、粗暴に振る舞ったりすること。また、相手に巧妙に誘い掛けて真実を喋らせること。 類:●鎌を掛ける ★「はったり」は、「はたる(徴)」の名詞化「はたり」と関係ある語か<国語大辞典(小)>
・這っても黒豆(はってもくろまめ) 自分の誤りや失敗に気付いているのに、飽くまでも自分の非をを認めないこと。また、強情を押し通すことの喩え。 類:●鹿を指して馬と為す●鷺を烏●我を張る
・ぱっとしない 見栄えがしない。あまり良くない。不景気だ。 類:●今一つ〜ない 例:「成績がぱっとしない」
・発破を掛ける(はっぱをかける) 1.発破(火薬など)を用いて爆破する。2.荒々しい言葉で奮い立たせる。荒っぽく注意して励ます。 類:●気合いを掛ける
・八方手を尽くす(はっぽうてをつくす) あらゆる方法を全て試みる。非常に困難な事に対処するために、考えられる方法や手段を全てやり尽くすこと。 類:●百方手を尽くす
・八方美人(はっぽうびじん) 1.どこから見ても欠点のない美人。2.誰からも悪く思われないように、如才なく振る舞うこと。また、そのような人。
・八方塞がり(はっぽうふさがり) 1.陰陽道の占いで、どの方角も不吉で何もできないこと。2.他人の援助や信用などをすっかり失ってしまっていること。どの方面にも障害があって手の打ちようがないこと。取るべき手段がなくて途方に暮れること。 類:●手詰まり
・八方微塵(はっぽうみじん) 周りの敵を粉々にして吹き飛ばすという意味で、敵を手当たり次第に攻め立てて追い払うこと。
・八方無碍(はっぽうむげ) 四方八方どちらの方角にも邪魔になるものがない。自由自在に振る舞うことができること。
・八方無尽(はっぽうむじん) 縦横無尽という意味で、四方八方辺り構わず、思い通りに振舞うこと。
・八方破れ(はっぽうやぶれ) どこもかしこも隙(すき)だらけで、どこからでも攻め込めそうな状態。相手に対し、破れかぶれの態度であること。
・抜本塞源(ばっぽんそくげん) 根元を引き抜き、源を塞ぐという意味で、ものごとの根本の原因を除いて弊害を防ぐこと。災いを根源から取り除くこと。また、ものごとを根本的に処理すること。 類:●株を削り根を掘る 出典:「春秋左氏伝−昭公九年」
・初耳(はつみみ) 初めて耳にすること。また、その話。 例:「そんな経緯だったというのは初耳だ」
・初物食い(はつものぐい) 1.初物を好んで食べること。転じて、新しい物を好んで手に入れること。また、そのような人。 ★江戸では、初物に高額を支払って食べるのが粋(いき)とされた。特に初鰹は、通常価格の100倍近い値で取引された。 参考:女房を質に入れても 2.処女ばかりを狙う好色家。
・初物七十五日(はつものしちじゅうごにち) その季節に初めてできた食物(果物や野菜など)を食べると、75日寿命が延びると言われているところから、初物を食べるときに喜びを表わして言う言葉。
・撥乱反正(はつらんはんせい) 乱れた世の中を治めて元の正しい状態に帰すこと。 出典:「春秋公羊伝−哀公一四年」「撥乱世反諸正」
・ばつを合わせる(ばつをあわせる)[=合わす] その場に巧く調子を合わせる。辻褄を合わせる。 類:●筈を合わす