−へん(hen)−
・卞和の璧(べんかのへき・たま) 昔、中国にあったという名玉。 類:●和氏(かし)の璧●連城の璧 故事:「韓非子−卞和篇」 中国、戦国時代の楚の人・卞和(べんか)が粗玉(あらたま)を楚の山中で拾い、王(れいおう)に献じたが只の石だと決め付けられ、左足を切る罰を受けた。次の武王には右足を切られた。次の文王が位に就いたとき、今度は命を奪われるだろうと三日三晩泣き暮らした。文王が磨かせてみると、正(まさ)しく立派な璧(たま)であった。
・変が変わる(へんがかわる) 正常でない状態になるという意味から、病状が急に悪化する、臨終の時期が迫っているということ。 類:●変が来る
・弁が立つ(べんがたつ) 演説や話し方が巧(うま)い。 類:●雄弁
・勉強する(べんきょうする) 1.努力をして困難に立ち向かうこと。熱心にものごとを行なうこと。また、気が進まないことを仕方なくすること。2.将来のために学問や技術などを学ぶ。学校の各教科や、珠算・習字などの実用的な知識・技術を習い覚える。また、社会生活や仕事などで修行や経験を積むこと。 類:●学習 3.商品を安く売る。商品を値引きする。 例:「せいぜい勉強させて貰います」 ★「勉強」の原義「困難なことを無理して頑張る」から。
・弁慶ぎなた式(べんけいぎなたしき) 「弁慶は、なぎなたを持って」を、「弁慶はな、ぎなたを持って」と誤読するような、句切りを間違えた読み方。
・弁慶の立ち往生(べんけいのたちおうじょう)
・弁慶の泣き所(べんけいのなきどころ)
・扁鵲も白骨に肉する能わず(へんじゃくもはっこつににくするあたわず) 名医で名高い扁鵲でも、死者を蘇(よみがえ)らせることはできない。どんな名医でも、死人は治せない。 出典:「塩鉄論−非鞅」「扁鵲不能肉白骨、微箕不能存亡国也」 ★「史記−扁鵲倉公列伝」には、死んだと思われたカク国の太子を鍼(はり)で蘇生させ、「当然に生きている者を起(た)たせただけだ」と言った、という逸話が残る。
・片言隻語(へんげんせきご) 《四熟》 「片言」も「隻語」も、僅(わず)かな言葉という意味。ちょっとした短い言葉。 類:●片言隻句(せっく)●一言半句
・弁舌さわやか(べんぜつさわやか) 話し方が清々(すがすが)しく快いという意味で、淀みなくすらすらと述べ、その語り口が実に清々しい様子。
・鞭撻(べんたつ) 1.鞭で打って懲(こ)らしめること。2.努力を怠(おこた)るなと強く励ますこと。激励すること。 例:「御指導御鞭撻の程、お願い致します」
・へんちき・へんちきりん 普通とは違っている様子。変な。また、そういう者。→「へんてこ」 用例:柳多留−四四「へんちきな献立を書く長崎屋」 ★「ちき」は、人や人の状態を表す語に付けて、からかいや嘲りの気持を込める。…な奴(やつ)の意。「高慢ちき」「とんちき」など。「てき(的)」の変化か<国語大辞典(小)>
・ベンチを温める(べんちをあたためる) 運動選手が補欠として控えの席に待機したままで、活躍する出番が与えられずにいること。 類:●補欠選手 例:「野球部では三年間ベンチを温めていた」 ★ここでの「ベンチ」は、野球場内の選手や監督の控え席のこと。
・変梃(へんてこ) 変な。奇妙な。馬鹿げている。また、そのような物や人。 類:●へんちきりん●へんちくりん●へんみょうらい●変梃りん 例:「変梃な服装」「変梃なことをいう」
・変哲もない(へんてつもない) 変哲は、普通と違っていること。これといって変わったところがない。平凡である。 例:「なんの変哲もないただの紙切れ」
・弁当持ち先に食わず(べんとうもちさきにくわず) 弁当運びを任(まか)された者は、手元に皆の弁当を持っているが、皆より先に食べることはない。持ってるものが多い人ほど、それを使わないものであるということ。 類:●金持ち金を使わず●槍持ち槍を使わず
・ペンは剣よりも強し(ぺんはけんよりもつよし) 言論が人の心に訴える力は、武力よりも強い力を持っているということ。言論には永続性があり、広範囲に及ぶものということ。 ★リットンの戯曲「リシュリュー」 英語The
pen is mightier than the sword.の和訳。 参考:「三つの敵意ある新聞は千の銃剣よりも恐ろしい」(ナポレオン・ボナパルト)
・辺幅を修飾する(へんぷくをしゅうしょくする)[=飾(かざ)る] 「辺幅」は、布などのへりのこと。上辺(うわべ)を飾る。見栄(みえ)を張る。 出典:「後漢書−馬援伝」「修飾辺幅、如偶人形」
・ぺんぺん草が生える(ぺんぺんぐさがはえる) 家などが荒れ果てている喩え。家屋や蔵などが取り払われ、空き地になって荒れ果てた状態になること。 例:「工場跡はぺんぺん草が生えている」 ★「ぺんぺん草」は、ナズナ(薺)の異名。
・ぺんぺん草も生えない(ぺんぺんぐさもはえない) 俗語。根こそぎ奪われて、または破壊されて、何も残らない様子の喩え。 類:●根絶やしになる●焦土と化す 例:「近江商人が歩いた跡にはぺんぺん草も生えない」
・偏旁冠脚(へんぼうかんきゃく) 《四熟》 漢字の字形を構成する要素の名称。偏(へん)、旁(つくり)、冠(かんむり)、脚(あし)の意味。垂(たれ)や構(かまえ)、繞(にょう)などを含む総称として用いる。
・片鱗を示す(へんりんをしめす) 学識や才能などの一部分をちらりと覗(のぞ)かせる。
・ペンを折る(ぺんをおる) 作家や記者などが、書くことを一切(いっさい)止(や)める。文筆に携(たずさ)わる職を辞(や)める。 類:●筆を折る●筆を断つ ★「筆を折る」からの変化。
・弁を振るう(べんをふるう) 大いに話すという意味で、勢いよく、淀みなくすらすらと述べること。
・弁を弄する(べんをろうする) 喋(しゃべり)り立てる。勝手なことを言う。また、屁理屈を言って言い逃れようとする。 類:●捲し立てる