−へら(hera)−
・減らず口(へらずぐち) 負け惜しみを言うこと。憎まれ口を叩くこと。遠慮なく口から出任せを言うこと。また、その言葉。 例:「減らず口を叩く」
・平等平等(へらへいとう) 《四熟》 すべて一様であること。 類:●一緒くた●へらへいと 用例:洒・通人三国師「夫雅人(いきじん)通人と近来へら平等(ヘイトウ)にいへども」 ★「平等(へいとう)」を「へら」とよみ、「平等」と重ねてできた語か<国語大辞典(小)> 用例の出典:通人三国師(つうじんさんごくし) 洒落本・黄表紙本。・・・調査中。 参考:「通俗三国志」
・便乱坊(べらぼう)[=箆棒] 1.戯(たわ)け。馬鹿。阿呆。愚か者め。人を嘲(あざけ)り罵(ののし)っていう言葉。 ★これに接尾語「め」が付いて「べらぼうめ」となり、さらに音が変化して、江戸言葉の「べらんめえ」となる<国語大辞典(小)> 2.筋が通らないこと。馬鹿げていること。馬鹿馬鹿しい。 類:●出鱈目 用例:雑俳・柳多留‐一一「べらぼうな夫を持って御仕合」 3.あまりに甚だしい。特に、並外れて酷(ひど)い。 類:●法外●無闇矢鱈 用例:滑・浮世床−初「夕はべらぼうに酔たぜ」 類:「べらぼうに暑い」 ★「便乱坊」の名からとも、飯粒を潰す「篦棒(=穀潰し)」からともいう<国語大辞典(小)> ★「篦棒」は当て字<大辞林(三)> 参考:便乱坊(べらんぼう) 寛文末年(1672)から延宝初年(1673)にかけて、見世物で評判を取った奇人。容貌極めて醜く、全身真っ黒で、頭は鋭く尖(とが)り、眼は赤くて円く、顎(あご)は猿のようで、愚鈍な仕種(しぐさ)を見せて観客の笑いを誘ったという。「可坊(べくぼう)」とも呼ばれた。
・箆を使う(へらをつかう)[=掻(か)く] どちらへも都合が良いように、曖昧(あいまい)な口調を使う。その場逃れの間に合わせを言って誤魔化す。
・べらんめえ 戯(たわ)け。馬鹿。愚か者め。人を嘲(あざけ)り罵(ののし)っていう言葉。 類:●便乱坊 ★「べらぼうめ」からの転訛。
・べらんめえ口調(べらんめえくちょう) 江戸の下町で、職人などの間で用いられた巻き舌で荒っぽく威勢の良い口調。