−ひに(hini)−
・火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ) 勢いのあるものに更に勢いを添える。一段と激しい勢いにする。多くは、不本意なことについて使う。 類:●薪に油を添える
・微に入り細を穿つ(びにいりさいをうがつ) 微(かす)かなこと、細かなことにまで気を配る。 類:●入念 ★「微に入り細に入る」「微に入り細に亘る(渡る)」の形でも使える。
・火に入る(ひにいる) 「飛んで火に入る夏の虫」の略。 類:●火に入る虫
・皮肉の間(ひにくのかん) 1.皮膚と肉の間という意味で、はっきり境界線を引くことができないもののこと。物の境目が微妙なこと。2.隠れた弱点のこと。
・皮肉の見(ひにくのけん) 理解の浅い考え。浅墓(あさはか)な考え。 ★ 皮肉と骨髄は仏教から出た用語。達磨大師(だるまだいし)が四人の弟子に、何を学んだかを尋ねた。それを聞いて大師は、「私の皮を得た」、「私の肉を得た」、「私の骨を得た」、「私の髄を得た」と、「皮」「肉」「骨」「髄」の4段階で評価した。皮や肉は、表面的な理解に留まっていることを示す。ここから転じて「皮肉」は、本質的なことではなく、表面的な非難・批判をすることを言うようになった。
・髀肉之嘆(ひにくのたん)
・日に異に(ひにけに) 1.日増しに。日が経つに連れて。一日一日と。2.毎日毎日。連日。 類:●月に異に 用例:万葉−三六五九「秋風は比爾家爾(ヒニケニ)吹きぬ」 ★上代、「け(異)」は甲類音で、「か(日)」の複数「け(日)」(乙類)とは別<国語大辞典(小)>
・日に日に(ひにひに) 1.日毎に。毎日毎日。 用例:万葉−3974「山吹は比爾比爾(ヒニヒニ)咲きぬ」 2.日を追って。日増しに。 用例:大唐西域記長寛元年点−七「日(ヒニヒニ)一鹿を輸(いた)さむと願ふ」 用例の出典:大唐西域記(だいとうさいいきき・だいとうせいいきき) 中国で作られた地理書。12巻。唐の太宗の時、玄奘(げんじょう)奉勅撰。弟子の弁機の助力を得て、646年上奏。629年から645年のインド旅行中に巡歴した各地の地理、制度、風俗、産業、仏教の状況や伝説などを記述。「西域記」。
・火にも水にも(ひにもみずにも) 火が燃えてきても、洪水になっても、という意味で、身の上にどんなことが迫ってきても。どんな事態になったとしても。 類:●火が降っても槍が降っても●雨が降ろうが槍が降ろうが●火の雨が降っても