−ひの(hino)−
・非の打ち所がない(ひのうちどころがない)[=打ちようがない] 非難すべきところがない。完全である。
・丙午(ひのえうま) 干支(えと)の43番目の年で、60年置きに来る。また、その年に生まれた人。 用例:浮・好色五人女−三「世の人の嫌ひ給ふ丙午」 俗信:五行説によると、丙は火の兄で、午は正南の火であるところから、この年には火災が多いとされ、また、この年に生まれた女性は気性が強く、夫を食い殺すといわれる。 ★生年が西暦1906・1966・2026の人。 参考:五黄の寅
・火の消えたよう(ひのきえたよう)[=が〜] 活動が止まり静かになる様子。急に活気を失って寂しくなる様子。 例:「客たちが帰ってしまい、家の中は火の消えたようだ」
・桧舞台(ひのきぶたい) 1.檜で床を張った、歌舞・演劇のための舞台。大劇場などの舞台。一流の立派な舞台。2.転じて、自分の腕前を披露する晴れの場所や場面。また、第一線のこと。 類:●晴れの舞台 例:「高校球児にとって、甲子園は檜舞台だ」
・火の車(ひのくるま) 1.仏教用語。地獄にあって火が燃えているという車のこと。生前に悪事を犯した者を乗せて地獄に運ぶという。 ★「火車(かしゃ)」の訓読み<国語大辞典(小)> 2.家計が非常に苦しいこと。生計の遣り繰りに苦しむこと。 用例:当世書生気質「あくまで富裕(ゆたか)に見えながら、其内幕は火の車」 例:「台所は火の車だ」 ★1.から転じて、地獄に向かってゆくということから。
・火の気(ひのけ) 火の温かみ。火がある気配。また、単に火。 類:●火気(かき)
・火の粉が掛かる(ひのこがかかる) 傍(そば)にいて災難が降り掛かる。 類:●とばっちりを食う●側杖を食う
・日の下開山(ひのしたかいさん) その道にかけては天下の「開山(=開祖)」であるという意味から、武芸や相撲などで、天下に並ぶ者がないほど優れた腕前を持っていること。または、その人。 類:●天下無双 例:「日の下開山横綱」
・火の付いたよう(ひのついたよう)[=が〜]・[=付くよう] 1.突然で慌ただしい様子。性急なこと。2.赤ん坊や幼児が、大声で激しく泣き叫ぶ様子。
・日の辻休み(ひのつじやすみ) 1.夏の真昼には仕事の能率が上がらないので、働いても仕方ないという理由で取る休憩。2.また、一般に、午睡(ひるね)。
・火の手(ひのて) 1.火事で、燃えあがる炎。また、その勢い。火勢。2.転じて、ものごとの勢い。3.行動を開始すること。始まること。 例:「攻撃の火の手が上がる」
・日の出の勢い(ひのでのいきおい) 昇る朝日のような盛んな勢い。全盛であること。
・火の出るよう(ひのでるよう)[=が〜] 1.恥ずかしさや怒りなどで、顔が真っ赤になる。 類:●火のよう 2.激しく行われること。激しいぶつかり合いなどの様子。 例:「火の出るような熱戦」
・火の手を上げる(ひのてをあげる) 1.火を点けて、燃え上がらせる。2.ある激しい行動を起こす。
・火のない所に煙は立たぬ(ひのなところにけむりはたたぬ)
・火の中の栗を拾う(ひのなかのくりをひろう) 非常な危険をおかすこと。また、他人の利益のために危険を犯すこと。 類:●火中の栗を拾う
・火の中水の中(ひのなかみずのなか)[=底] 燃えている火の中や深い水の中という意味で、苦難が予想される境遇の喩え。 例:「一緒になれるなら、仮令(たとえ)火の中水の中」 ★万葉集の安倍郎女(あべのいらつめ)「火にも水にもわれなけなくに」から。
・火の回り(ひのまわり) 1.火の燃え広がっていく度合。 類:●火足 例:「火の回りが早い」 2.火の用心のため、戸外や屋内を見回って歩くこと。また、その人。
・日の目を見る(ひのめをみる) 1.埋もれていたものが、世間に公表される運びとなる。世に知られるようになる。 類:●世に出(い)ず 例:「法案が日の目を見ずに終わった」 2.不遇であった人や物が、漸(ようや)く世人の注視を浴びるようになる。 類:●脚光を浴びる●好い目を見る 例:「60歳を過ぎてやっと日の目を見た」
・火のよう(ひのよう) 1.熱い様子。2.恥ずかしさや怒りで、顔が真っ赤になる様子。3.怒りなどが激しい様子。 例:「火のように怒る」 4.熱烈な様子。 例:「火のような情熱」
・火の用心(ひのようじん) 1.火元を注意すること。火災を起こさないように気を付けること。2.夜番が拍子木を打ちながら呼び歩いた言葉。