−ひさ(hisa)−
・非細工の小刀減らし(ひざいくのこがたなべらし) 下手(へた)な人が細工をすると、小刀を無駄(むだ)に磨り減らすばかりであること。労力の割りに効果が上がらないこと。
・膝頭で江戸へ行く(ひざがしらでえどへいく)・行こうとする 膝行(いざ)って江戸へ行こうとするということで、苦労する割に効果がないことの喩え。 類:●膝で京へ上る 例:「一軒一軒訪ねるなんて膝頭で江戸へ行くようなもの」 ★上方(かみがた)のいろはカルタにある語。
・膝が流れる(ひざがながれる) 足元がふらついてしっかりしない。 類:●脛が流れる
・膝が抜ける(ひざがぬける) 1.着物やズボンの膝の部分が擦れて穴が空く。また、その部分の生地が伸びて前方に突き出る。 類:●膝頭で江戸へ行く●労多くして功少なし 2.膝の力が抜ける。
・膝が笑う(ひざがわらう) 膝ががくがくする。山道を下りるときなどに、膝の辺りの力が抜けること。
・庇を貸して母屋を取られる(ひさしをかしておもやをとられる)
・膝詰め談判(ひざづめだんぱん) 相手に膝を詰め寄せて談判すること。相手に厳しく迫って圧力を掛けて談判すること。主に、こちらの要求を押し通すときなどにする。
・膝で京へ上る(ひざできょうへのぼる) 室内での作法である膝行(しっこう)のように、膝行(いざ)って京都へ行く。 1.骨の折れる割りに効果が少ないことの喩え。2.無意味な苦労をすることの喩え。また、見ていてじれったいことの喩え。 類:●まどろこしい
・膝とも談合(ひざともだんごう・だんこう) 思案に余ったときは、抱いた自分の膝でも相談相手になるというところから、一人で思い悩むくらいなら、どんな相手でも、相談すればそれだけの成果はあるものだということ。
・膝元去らず(ひざもとさらず) 身に近いところから離れていかないという意味から、両親や仕えている君主などの傍(そば)を離れないで、付きっ切りでいること。
・膝を容れる(ひざをいれる) 1.足を入れるという意味で、その中に身を置くこと。2.転じて、狭い家。また、狭い家に身を置くことの喩え。 出典:陶潜「帰去来辞」「審二容膝之易安」
・膝を打つ(ひざをうつ) 自分の手の平で膝をぽんと叩くということで、はたと思い当たることがあったり、感心したりしたときの動作。 類:●膝を叩く
・膝を折る(ひざをおる) 1.膝を折り曲げて、体を屈める。膝頭(ひざがしら)を下に付ける。 類:●膝を屈める 2.屈服する。 類:●膝を屈する
・膝を屈める(ひざをかがめる)[=屈する・折る] 1.膝を折って、身体を屈める。2.転じて、相手に屈従する。
・膝を崩す(ひざをくずす) きちんとした姿勢を崩して、楽に座る。正座を解いて、楽な姿勢で座る。
・膝を組む(ひざをくむ) 1.足を組んで座る。胡座(あぐら)を掻く。2.同席する。対座する。上下なく、対等に交際する。 類:●膝を交える
・膝を進める(ひざをすすめる) 1.前へにじり出る。相手に近付く。2.乗り気になる。身を乗り出す。
・膝を抱く(ひざをだく・いだく) 1.自分の膝を抱える。孤独な様子の形容。2.膝に縋(すが)り付く。懇願する。頼み入れる。 用例:浄・心中二つ腹帯−三「お膝を抱きに三人が申し合はせて参るから」 用例の出典:心中二つ腹帯(しんじゅうふたつはらおび) 浄瑠璃。世話物。3段。紀海音。享保7年(1722)大坂豊竹座初演。前年の4月5日宵庚申の夜に、大坂新靫町の八百屋の養子半兵衛と女房お千代が、生玉馬場先の大仏勧進所で心中した事件を脚色したもの。
・膝を正す(ひざをただす) きちんと姿勢を整えて座る。改まった様子で座る。
・膝を突き合わす(ひざをつきあわす) 1.互いの膝が触れ合うほど接近する。間近で親しく話をすること。 例:「膝を突き合せて懇談する」 2.大変混雑した状態。
・膝を乗り出す(ひざをのりだす) 1.膝を前に進める。にじり寄る。前へ進み出る。2.興味を引かれて、乗り気になっている様子。 類:●膝を進める
・膝を交える(ひざをまじえる) 同席して親しく話し合う。お互いに打ち解けて語り合う。 例:「膝を交えてお話しましょう」