−ひと(か)(hito2)−
・人が好い(ひとがいい) 1.人柄が好い。気立て・気質が好い。2.お人好しだ。大人しくて他人に逆らわない人である。愚直だ。
・人が掛かる(ひとがかかる) 人がそちらに向かって差し向けられる。使いの者や追っ手などが差し向けられること。 類:●追っ手が掛かる
・人が変わる(ひとがかわる) 性格や人格が変わる。別人になったように見える。
・人影が射す(ひとかげがさす) 人の影が物に映るという意味から、その場に人の姿が現れること。 類:●影が射す
・一肩入れる(ひとかたいれる) 援助する。手伝う。助ける。 類:●一肩脱ぐ●一肌脱ぐ●片肌脱ぐ 用例:人情・春色恵の花「是非おれが一肩入れてやらうから」
・人が立つ(ひとがたつ) 人がその場所に立っているという意味から、物を見聞きしようとして、人があちこちから集まってくること。
・一方ならず(ひとかたならず) 一通りでない。尋常でない。様々に。 類:●並々でない 用例:源氏−夕顔「ひとかたならず心あわただしくて」 例:「先生には一方ならぬご指導をいただきました」
・一肩脱ぐ(ひとかたぬぐ) 一方の肩だけ裸になるという意味で、他人を後押しして力を貸すこと。援助する。助ける。 類:●一肩入れる●一肌脱ぐ●片肌脱ぐ
・人必ず自ら侮りて、然る後に人これを侮る(ひとかならずみずからあなどりて、しかるのちにこれをあなどる) 自分で自分を侮るようになると必ず他人から侮られるようになる。人から侮りを受けないためには、先ず自分で自分を重んじなければならないという戒(いまし)め。 出典:「孟子−離婁・上」
・一株立てる(ひとかぶたてる) 財産を作って一家を立てる。身代(しんだい)を立てる。
・人が好い(ひとがよい・いい) 1.性格が好い。気立てが好く、善良な人である。2.騙(だま)され易い人である。 反:■人が悪い
・人柄を作る(ひとがらをつくる) 品格が良い風を装う。いかにも上品であるように見せ掛ける。
・一皮剥く(ひとかわむく)[=剥(めく)る] 表面を取り除く。上辺の虚飾を取り除く。 例:「一皮剥けば内情は火の車だ」
・一皮剥ける(ひとかわむける) 1.日焼けなどにより、皮膚が剥ける。2.試練などを経て、一段階上に上る。 例:「留学を終えて、一皮剥けて帰ってきた」
・人が悪い(ひとがわるい) 1.性格が良くない。心根が悪い人である。巫山戯(ふざけ)て他人を騙(だま)したり、皮肉を言ったりするような人である。2.計算高くて、非情な人である。 反:■人が好い
・人聞きが悪い(ひとぎきがわるい) 他人が聞いてあまり良い印象を持たない。世間の人への体裁が悪い。また、誰かから聞いたその人の考えが正しくない。 類:●外聞が悪い 例:「盗み聞きだなんて、人聞きが悪い」
・人食い馬にも合い口(ひとくいうまにもあいくち) 人に噛み付く癖がある荒馬(あらうま)でも、性の合った乗り手には大人しいものである。転じて、乱暴者にも、それに相応(ふさわ)しい気の合った友達があるものである。 用例:滑・六阿弥陀詣「人食馬にも合口、器量ふうぞくにはよらねへもの」
・一癖も二癖もある(ひとくせもふたくせもある) 1.癖をたくさん持っているという意味で、普通の人の考え方や行動と大変違っている。常識的に判断できないところがある。2.気を許すことができない性格である。油断ならない性質である。 類:●海千山千
・一口に言う(ひとくちにいう) 簡単に纏(まと)めて、僅(わず)かな言葉で述べること。手短に掻い摘(つま)んで言うこと。
・一口乗る(ひとくちのる) 全体の一部分に加わるという意味で、儲(もう)け話や、何人かでする仕事に加わること。 例:「条件によっては一口乗っても良い」
・一口物に頬を焼く(ひとくちものにほおをやく) 一口ばかりの食物で口中に火傷を負うという意味で、ちょっとした事に手出しをして、意外な失敗を招くことの喩え。
・人心地が付く(ひとごこちがつく) 人間らしい気持ちに戻るという意味で、それまでの異常な状態から平常な気持ちに返ること。緊張から解放されて寛(くつろ)いだ気持ちになる。また、生きているという感じを取り戻したときにも使う。 類:●人心付く●正気に戻る
・人こそ人の鏡(ひとこそひとのかがみ) 鏡を見て自分の姿を直すのと同じで、他人の言動を見て、自分の至らないところを直すための良い手本とすべきである。 類:●人に鏡(かんが)みる●人の振り見て我が振り直せ●他山の石 出典:「墨子−非攻・中」「君子不鏡於水、而鏡於人」 墨子が引用した古諺。
・人事言えば影が射す(ひとごといえばかげがさす) 人の噂(うわさ)をすると、えてして、丁度その場に当人が現れるものだ。 類:●噂をすれば影が射す
・人事言わば筵敷け(ひとごといわばむしろしけ) 人の噂(うわさ)をするとその当人が現われるというから、噂をするならば、筵を敷いてその人を座らせる席を用意するつもりでしなさいということ。
・一言多い(ひとことおおい) 発言や会話の中で、言わずもがなの余分なことを付け加えること。
・人事でない(ひとごとでない) 他人のことだから自分には関係がないと、暢気(のんき)に構えていてはいけない。やがては我が身にも降り掛かってくることである。 類:●明日は我が身