−ひと(を)(hitowo)−
・人を射んとせばまず馬を射よ(ひとをいんとせばまずうまをいよ) 大きなもの、主となるものを攻撃したり、また手に入れようとしたりするとき、直接その対象を狙うより、その周囲にあるものをまず狙うのが良いという喩え。 類:●将を射んと欲すればまず馬を射よ 出典:杜甫「前出塞詩」
・人を怨むより身を怨め(ひとをうらむよりみをうらめ)[=人を怨むるより〜][=怨みよ] 相手の仕打ちを恨む前に、自分の至らないことを反省せよ。 出典:「淮南子−繆称訓」
・人を思うは身を思う(ひとをおもうはみをおもう) 他人に情を掛ければ、やがてはそれが自分のところへ返ってくる。 類:●情けは人のためならず
・人を食う(ひとをくう) 人を人とも思わないような言動をする。人を馬鹿にする。 例:「人を食った態度」
・人を逸らさない(ひとをそらさない) 人の心を引き付けて、よそへ向かわせない。人の気持ちを損(そこ)なわない。
・人を立てる(ひとをたてる) 1.使者として、人を遣わす。2.本人の代わりになる人を表に出す。 例:「人を立てて折衝する」 3.その人の面目を保たせる。 類:●顔を立てる
・人を茶にする(ひとをちゃにする) 好い加減にあしらう。人に対して本気になって接しないで、馬鹿にしたように軽くあしらうこと。 類:●茶化す●茶にする
・人を使うは使わるる(ひとをつかうはつかわるる) 人を使うと気苦労ばかりが多く、却(かえ)って人に使われているようなものである。
・人を使えば苦を使う(ひとをつかえばくをつかう) 人を使うのは、使う人にとってはまるで苦労を使うようなもので気苦労が絶えない。人を使うことは難しいということ。 類:●人を使うは使わるる●奉公人に使われる
・人をつけにする(ひとをつけにする) 人を「虚(うつ)け」にするということで、人を馬鹿にすること。
・人を呪わば穴二つ(ひとをのろわばあなふたつ)
・人を人とも思わぬ(ひとをひとともおもわぬ) 他人を一人前の人間として扱わない。他人を侮(あなど)り、傍若無人に振る舞うこと。
・人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ) 他人を軽々しく信用してはいけないということ。 反:●渡る世間に鬼はない
・人を見て法を説け(ひとをみてほうをとけ・にんを〜) 相手によって臨機応変の処置を取ることが必要である。 出典:「法華経−方便品」「以万億方便随宜而説法」など ★釈迦が相手の能力や人柄に応じて法を説いたことから<大辞林(三)>
・人を以って言を廃せず(ひとをもってげんをはいせず)[=捨てず] つまらない者の言葉であっても、その内容が立派なものであれば、それを退けず取り上げるべきである。 類:●狂夫の言も聖人は選ぶ 出典:「論語−衛霊公」「子日、君子不以言挙人、不以人廃言」
・人を分かず(ひとをわかず)[=分かたず] 人を区別しないという意味で、一人一人を差別することなく、同じように、平等に扱うこと。