−ひを(hiwo)−
・日を改める(ひをあらためる) 都合を別の日に替える。 類:●後日 例:「日を改めて伺います」
・非を打つ(ひをうつ) 悪い部分を指摘する。非難する。
・日を追う(ひをおう) 日数が経過するに従って。 例:「日を追って春めく」
・日を同じくして論ぜず(ひをおなじくしてろんぜず)[=語るべからず] 両者の間に非常に大きな差違があること。同一でない。比べものにならない。 類:●同年にして語るべからず●同日の論にあらず 出典:「史記−游侠列伝」
・火を掛ける(ひをかける) 火を点ける。放火する。 類:●火を放つ
・非を飾る(ひをかざる) 自分の失敗を誤魔化して言い訳する 出典:「史記−殷本紀」
・火を被る(ひをかぶる) 死の忌みが懸かる。 例:「親が死んで49日間は火を被る」 ★九州などで広くいう。<国語大辞典(小)>
・日を消す(ひをけす) 日を送る。 類:●日を消する
・火を救うに薪を以ってす(ひをすくうにたきぎをもってす) 火を消そうとして薪を投げ込むということ。却って被害を大きくすることの喩え。 類:●火に油を注ぐ 出典:「ケ析子−無厚」「如拯溺錘之以石、救火投之以薪」 出典:ケ析子(とうせきし) 思想書。周のケ析子の著と言われるが、後人の作(=偽書)らしい。主として、法家の思想を述べたもの。
・火を擦る(ひをする)[=摩る] 表面はなごやかそうでも、実際は不和であることのたとえにいう。用例:御伽草子・鴉鷺合戦「法花念仏は互ひに火を摩りたる間なり」 ★「火」を「杼(ひ)」に掛けて、杼と筬(おさ)とは擦れ合って一所に寄らないところから<国語大辞典(小)> 用例の出典:鴉鷺合戦物語(あろがっせんものがたり) 室町時代の御伽草子。1巻。一説に、一条兼良作と言われる。祇園の烏と糺(ただす)の森の鷺の合戦を擬人化して描いたもの。無常を感じて共に出家するという筋。「鴉鷺物語」・「鴉鷺記」。
・美を尽くす(びをつくす) 家や庭や着物、その他の装飾品などをこの上なく美しく飾ること。
・火を付ける(ひをつける)[=点ける] 1.点火する。放火する。2.騒ぎなどのきっかけを作る。また、他を刺激して怒らせる。
・火を通す(ひをとおす) 生の食べ物に熱を加えて調理する。また、調理済みの食べ物に、腐敗を防ぐなどの目的で、熱を加える。 例:「豚肉は中までよく火を通してから食べること」 ★基本的に、食べ物以外には使わない。
・非を鳴らす(ひをならす) 非難を言い立てて責める。盛んに非難する。相手の間違った考え方や方法などに対して、激しい非難を浴びせる。
・火を吐く(ひをはく) 1.火を吹き出す。炎を激しく吹き出す。2.猛獣などの吐く息が凄まじい様子。また、弁論や口調などが非常に激烈な様子。 例:「舌端火を吐く」
・火を吹く力もない(ひをふくちからもない) 竈(かまど)の下の火を吹き立てることもできないという意味で、非常に貧困で暮らしを立てていく力もないことの喩え。
・火を水に言いなす(ひをみずにいいなす) 実際は火であるのに、それを水だと言い張るという意味から、真実を曲げて、飽くまでも誤魔化すこと。 類:●詭弁(きべん)を弄する
・火を見たら火事と思え(ひをみたらかじとおもえ)[=見れば〜] 僅かな火を見ても大きな火事になるかも知れないと心掛けなさい。ものごとは用心の上にも用心を重ねよということ。 類:●人を見たら泥棒と思え
・火を見るよりも明らかなり(ひをみるよりもあきらかなり) 道理が明白であって、疑う余地がない。この上もなく明白であること。 類:●自明の理●日月自明 出典:「書経−盤庚・上」「非予自荒[玄+玄]徳、惟汝含徳、不[立心偏+易]予一人、予若観火」 ★殷の十九代の王・盤庚(ばんこう)が諸侯を呼び説いた言葉から。
・火を以て火を救う(ひをもってひをすくう) 火は水で消すべきなのに、火で消そうとするような愚かなことをする。弊害(へいがい)を除こうとして、却(かえ)って益々害を大きくしてしまうことの喩え。 類:
●火を救うに薪を投ず●薪を抱きて火を救う●火に油を注ぐ 用例:学問のすゝめ−四「その事情あたかも火をもって火を救うが如し」 出典:「荘子−内篇・人間世」「是以火救火、水以救水、名之曰益多(孔子の言葉として引用)」