−ひよ(あ)(hiyo1)−
・剽軽(ひょうきん) 軽々しく、滑稽(こっけい)なこと。気軽で、おどけた様子である。 類:●ひょうげ●お茶目 例:「剽軽者」「剽軽玉(ひょうきんだま)」 ★キンは唐宋(トウソウ)音<学研漢和大字典> ★元来は「ひょうけい」と読み、@素早いA軽はずみで争いを好むの意味。「気軽でおどけた様子」は、日本での特別な意味。
・氷山の一角(ひょうざんのいっかく) 氷山の海面上に見える部分は全体のほんの一部分に過ぎないことから、大きなものごとのごく一部分が外に現れていることの喩え。 類:●千重の一重 例:「この汚職事件は氷山の一角に過ぎない」 ★好ましくない場面に使う。 ★氷山の海面上に見える部分は7分の1から8分の1である<国語大辞典(小)>
・拍子に掛かる(ひょうしにかかる) 1.音楽のリズムに合わせてものごとをする。2.調子に乗る。
・拍子抜け(ひょうしぬけ) 張り合いがなくなること。心の張りを失うこと。 例:「拍子抜けしてやる気が失せる」
・眇視跛履(びょ うしはり) 目が悪いのによく見えると思い、足が悪いのによく歩けると思う。力が足りない者が無理に事をやろうとして災いを招くことの喩え。 出典:「易経−履」「眇能視、跛能履」
・拍子を取る(ひょうしをとる) 手を打ったり声を掛けたりして、また、楽器を鳴らしてリズムや調子を取る。
・氷人(ひょうじん) 媒酌人、仲人(なこうど)のこと。 類:●月下氷人●月下翁 故事:「晋書−芸術伝・索屁」 中国、晋の令狐策が、氷上に立って氷の下の人と話をした夢を、索屁(さくたん)が、陽である氷上から陰の氷下に語ったから、仲人をするだろうと予言し、その通りになった。
・平仄が合わない(ひょうそくがあわない) 漢詩を作るとき、平韻(ひょういん)と仄韻(そくいん)の使い方が定められているが、その使い方が間違っているという意味で、転じて、前に言ったことと後で言うことの辻褄(つじつま)が合わないこと。話の筋道が立たないこと。 類:●辻褄が合わない
・猫鼠同眠(びょうそどうみん) 本来鼠を捕まえなければならない猫が睦(むつ)まじく鼠と一緒に寝ているということで、取り締まるべき立場の者が悪人と馴(な)れ合っていることの喩え。また、上下の者が結託して悪事を働くことの喩え。 出典:「唐書−五行志・一」「洛州猫鼠同処」
・氷炭相容れず(ひょうたんあいいれず) 性質が反対で、互いに合わないことの喩え。 類:●水と油
・瓢箪から駒(ひょうたんからこま)
・瓢箪で鯰を押さえる(ひょうたんでなまずをおさえる) 瓢箪では鯰は捕まえることができないという意味で、捕らえどころがないこと。のらりくらりしていて要領を得ないことの喩え。 類:●瓢箪鯰●提灯で餅搗(つ)く
・瓢箪鯰(ひょうたんなまず)
・瓢箪の川流れ(ひょうたんのかわながれ) 1.浮き浮きしていて落ち着きがない様子。2.のらりくらりとしていること。宛てもなくぶらぶらしている様子。
・評判倒れ(ひょうばんだおれ) 世間の評判が高い割りに内容が希薄で、その評価ほどの価値がないこと。 類:●評判負け
・飄々踉々(ひょうひょうろうろう) ふらふらと彷徨(さまよ)い歩く様子。踉(よろめ)くように歩く様子。
・漂母食を進む(ひょうぼしょくをすすむ) 不遇のときに施(ほどこ)しを受けること。不遇な頃の韓信が食うに困っているのを見て、漂母が数十日も食事を与えたという故事。 類:●漂母の恵み ★「漂母」は絮(わた)を水に晒(さら)す老婆のこと。後に楚王に封じられ故郷に錦を飾った韓信は、その老婆を招いて千金を与えた。 出典:「史記−淮陰侯列伝」「信謂漂母曰、吾必有以重報母。母怒曰、丈夫不能自食、吾哀王孫而進食、豈望報乎」 ★陶淵明「乞食」にも、「感子漂母恵、愧我非韓才」とある。 参考:韓信の股潜り
・表裏上ぐ(ひょうりあぐ) 表では褒め上げながら、裏では謗(そし)る。誉めているようで、実は貶(けな)していること。 用例:仮・可笑記−一「よろづ我より上(うは)めなる人をば、ほむる体にてひゃうり上げ」 用例の出典:可笑記(かしょうき) 仮名草子。5巻5冊。如儡子(にょらいし)・斎藤親盛。寛永13年(1636)。280段と序・奥書。「徒然草」に倣った俗文体の随筆風の短文を収める。日本・唐の故事や、作者が見聞したものが中心。社会、人生に関する意見や教訓を中心に、法談、小咄等も混じえている。鋭い警世的批判が世に受け、後に浅井了意の「可笑記評判」や西鶴の「新可笑記」を生んだ。
・表裏一体(ひょうりいったい) 1.相反する二つの物が一つになること。2.外面と内心が一致して、違わないこと。3.二つの物の関係が、根本では繋(つな)がっており、密接で切りはなせないこと。また、その関係。
・表裏者(ひょうりもの) 表裏がある者。外面と内心が異なる者。嘘吐(つ)き。 用例:浄・神霊矢口渡「やあ卑怯至極の表裏者」
・表裏を使う(ひょうりをつかう) 表向きのことと違うことを言うこと。人目を欺(あざむ)いてあれこれと細工をしたり、巧く立ち回ったリ、都合を付けたりすること。
・表六玉(ひょうろくだま)[=兵六玉] 愚か者。間抜け。 類:●表六