−ほね(hone)−
・骨折り損の草臥儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ) 苦労したことが何の成果も齎(もたら)さず、ただ疲労という結果だけが残ること。
・骨がある(ほねがある) 背骨が真っ直ぐで頑丈であるという意味から転じて、しっかりしていること。また、容易には屈服しない強い精神を持っている。 類:●気骨がある
・骨が折れる(ほねがおれる) 困難で苦労する。労力を要する。また、面倒である。
・骨が舎利になっても(ほねがしゃりになっても) 「舎利」は火葬にした骨のこと。仮令(たとえ)死んでも。どんな困難を冒しても。
・骨が太い(ほねがふとい) 1.骨格が太くて丈夫である。2.転じて、意志が強く気骨がある。 類:●骨がある
・骨皮筋右衛門(ほねかわすじえもん) 痩(や)せた体型の人を揶(からか)って呼ぶ言葉。
・骨と皮(ほねとかわ) 骨と皮ばかりで、身が殆(ほとん)どない。極度に痩せている様子。 類:●骨体連なる
・骨に刻む(ほねにきざむ) 骨に刻み込むようにしてしっかり覚えておく。深く心に留める。 類:●心に銘ず●肝に銘ず
・骨に沁みる(ほねにしみる)[=を通す] 骨まで沁み通るほど苦痛である。また、心の奥底まで強く深く感じる。 類:●骨身に沁みる●骨に徹(てっ)す●骨に徹(とお)る 例:「寒さが骨に沁みる」
・骨に徹する(ほねにてっする) 1.心の奥底まで強く深く感じる。2.よく身に付いている。 類:●身に染まる
・骨になる(ほねになる) 1.死んで遺骨だけになる。2.死ぬ。死亡することを婉曲にいう。
・骨の髄まで(ほねのずいまで) 1.身体の中心まで。 例:「骨の髄まで冷える」 2.骨の髄に届くほど徹底的に。心の深層部や、奥まで。 類:●徹底的に●とことん
・骨までしゃぶる(ほねまでしゃぶる)[=骨の髄まで〜] 肉を食べただけでは足りなくて骨まで舐めるという意味から転じて、他人をとことんまで利用し尽くし、自分の欲を満たすことの喩え。それ以上何も出なくなるまで搾取(さくしゅ)する。 類:●尻の毛まで抜かれる
・骨身に染みる(ほねみにしみる)[=染む・徹(てっ)する・応(こた)える] 身体の芯まで感じる。深く心身に感ずる。 類:●骨に沁みる
・骨身を惜しまない(ほねみをおしまない) 労力や面倒を厭(いと)わない。一心に働く。 反:■骨を惜しむ
・骨身を削る(ほねみをけずる) 労苦などが、身を細らせるほどに感じられる。身体が痩せ細るほど苦心や努力をする。 類:●身を削る
・骨休め(ほねやすめ) 仕事の合い間に身体を休めること。一息吐(つ)くこと。 類:●休息●骨休み 例:「骨休めに温泉に行く」
・骨を埋むるも名を埋めず(ほねをうずむるもなをうずめず) 死んで身体を地中に埋めても、名前まで埋めることはできない。名声は永久に伝わるものであるということ。 出典:白居易「題故元少尹集後詩」「竜門原上土、埋骨不埋名」 白居易が、友人の元少尹(げんしょういん)の詩文集に寄せた詩。
・骨を埋める(ほねをうずめる) 1.死んで骨を土の中に埋める。2.転じて、その地で死ぬ。その場所で一生を送る。3.一つの事業に生涯取り組む。あることに一生を捧げる。
・骨を惜しむ(ほねをおしむ) 労苦を嫌がる。仕事を怠(なま)ける。
・骨を折る(ほねをおる) 1.骨折する。2.労苦を厭(いと)わず、精を出して仕事に励む。3.苦心して人の世話をする。
・骨を砕く(ほねをくだく) 1.骨を細かく砕く。2.一所懸命に働く。粉骨砕身の努力をする。 類:●身を粉にする●骨を粉にする●粉骨砕身
・骨を粉にする(ほねをこにする) 骨を砕いて細かな粉にするという意味から転じて、力の限り精を出して働くことの喩え。大変な努力をすることの喩え。 類:●身を粉にする●粉骨砕身●骨を砕く
・骨を刺す(ほねをさす) 痛みや寒気などが、強く身に感じる。 類:●骨に沁みる
・骨を晒す(ほねをさらす) 1.死者の骨を雨風の当たるまま放っておく。屍(しかばね)が野山に置かれたまま白骨になること。2.野垂れ死にをも恐れないという、強い覚悟や決心。
・骨を抜く(ほねをぬく) 1.料理で、魚や鳥などの骨を抜く。2.計画や思惑の肝心な部分を抜き取る。3.根性などを失わせて、気力や勇気のない人間にしてしまう。人間から最も大事な精神を取り去り、駄目な人間にしてしまう。 類:●骨抜きにする
・骨を盗む(ほねをぬすむ) 1.他人の苦労を無にする。只働きをさせる。2.仕事を怠ける。 類:●骨惜しみをする
・骨を拾う(ほねをひろう) 1.火葬にして遺骨を拾い納める。骨(こつ)揚げをする。2.死後の面倒を見る。また、他人がしたことの後始末をする。
・骨を休める(ほねをやすめる) 一休みする。骨休めをする。