−ほう1(hou1)−
・暴飲暴食(ぼういんぼうしょく) 見境なく飲んだり食べたりすること。節度を守ることができず、食欲に任せて食べ過ぎたり飲み過ぎたりすること。 ★「暴飲」は、主に酒の飲み過ぎについていう。
・蓬屋(ほうおく) 1.蓬(よもぎ)で屋根を葺(ふ)いた家。粗末な家。2.みすぼらしい家。また、自宅を遜(へりくだ)って呼ぶ言葉。 類:●陋屋●拙宅(せったく)
・方外の交わり(ほうがいのまじわり) ここでの「方」は、世間のことで、「方外」は僧侶などのこと。世を捨てた僧侶が世間一般の人と交際するように、世俗を超越して心から交際すること。
・方角が立たない(ほうがくがたたない) なすべき手段が見付からない。手立てが見つからない。 類:●方策が立たない
・方角が付く(ほうがくがつく) 見通しが付く。見当(けんとう)が付く。
・方角を失う(ほうがくをうしなう) どちらの方角へ進めば良いのか分からなくなる。これから向かう進路や方向が分からなくなる。また、目標をなくしてしまう。 類:●途方に暮れる
・忘我の境(ぼうがのきょう) ものごとに心を奪われて自分を忘れること。夢中になること。 類:●無我の境
・砲火を交える(ほうかをまじえる) お互いに発砲する。戦いを始める。 類:●戦端を開く
・抱関撃柝(ほうかんげきたく) 門を守る者と拍子木を打って夜警をする者という意味で、身分の低い小役人のこと。
・判官贔屓(ほうがんびいき・はんがんびいき) 不遇な者、弱い者に同情して肩を持つこと。また、そういう感情。 類:●曾我贔屓 ★薄幸の九郎判官(源)義経に同情し愛惜する意から<国語大辞典(小)> 
・忘形の契り(ぼうけいのちぎり) 容貌、地位、形式など、外面上のことに囚(とら)われない交際のこと。隔てのないこと。 出典:「新唐書−孟郊」「韓愈一見、以為忘形之契」
・忘形の交わり(ぼうけいのまじわり) 分け隔(へだ)てのない親密な交際。容貌、地位、形式などを問題にしない付き合い。 出典:「後漢書−デイ衡伝」「時衡未満二十、而融已五十、為忘形交」
・方向音痴(ほうこうおんち) 生まれ付き、方向がよく分からないこと。方向の感覚が鈍く、道に迷い易いこと。または、そういう人。
・方向転換(ほうこうてんかん) 1.進んで行く向きを変えること。2.方針を変えること。 類:●転向 例:「今更方向転換はできない」
・蓬戸甕ユウ(ほうこおうゆう) 蓬(よもぎ)で編(あ)んだ戸と、壊れ甕(がめ)で作った窓。貧しい家の喩え。 出典:「礼記−儒行」
・暴虎馮河(ぼうこひょうが) 虎に素手で立ち向かい大河を徒歩で渡るという意味で、血気に逸(はや)って向こう見ずになること。無謀な行為をすること。命知らずなこと。 類:●暴虎 例:「暴虎馮河の勇」 出典:「論語−述而」「暴虎馮河、死而無悔者、吾不与也」
・棒先を切る(ぼうさきをきる)[=撥(は)ねる] 買物などの代金の上前を取る。 類:●上前を撥ねる
・法三章(ほうさんしょう) 1.漢の高祖(=劉邦)が、秦を破り咸陽(かんよう)に入ったとき、煩雑で苛酷な秦の法を廃止して発布した殺人・傷害・窃盗だけを処罰するという三章の法。 出典:「史記−高祖本紀」「吾当王関中与父老約、法三章耳」 2.転じて、法律が極めて簡略なこと。
・茅茨剪らず采椽削らず(ぼうしきらずさいてんけずらず) 宮殿や屋敷などが質素である様子。 故事:「韓非子−五蠹」「堯之王天下也、茅茨不翦、采椽不[卯/亞+斤]」 帝尭(ていぎょう)は、自分の宮殿の屋根を葺(ふ)いた茅の先端を切り揃えもせず、椽(たるき)は削らない丸太のままにして、質素・倹約の模範とした。
・封豕長蛇(ほうしちょうだ) 大きな猪(いのしし)と長い蛇(へび)のこと。 1.残忍で貪欲な悪人の喩え。2.暴虐な行為。 出典:「春秋左氏伝−定公四年」
・法師の櫛蓄え(ほうしのくしだくわえ) 俗世間への執着を断ち切った筈の出家僧が、女性の髪に差す櫛を持っているという意味で、似つかわしくないことをすることの喩え。不似合いなこと。 類:●法師の櫛工(くしだくみ)●法師の櫛集め●法師の軍咄(いくさばなし)
・傍若無人(ぼうじゃくぶじん) 「傍(かたわら)に人無きが若(ごと)し」という意味。人前を憚(はばか)らずに勝手気ままな言動をすること。 類:●野放図 例:「傍若無人な振る舞い」 出典:「史記−刺客列伝」「荊軻嗜酒、…已而相泣、旁若無人者」
・望蜀(ぼうしょく)
・飽食暖衣(ほうしょくだんい) 暖かな衣服を着て、飽きるまで食物を食べること。何の不足もなく生活すること。 類:●暖衣飽食●飽暖 出典:「孟子−滕文公・上」「人之有道也、飽食暖衣、逸居而無教、則近於禽獣」
・庖人庖を治めずと雖も、尸祝は樽俎を越えて之に代わらず(ほうじんほうをおさめずといえども、ししゅくはそんそをこえてこれにかわらず) 料理番が料理しないからといって、神官が神酒の樽や供物台を踏み越えて、台所に立ってはならない。 出典:「荘子−逍遥遊」「庖人雖不治庖、尸祝不越樽俎而代之矣」 ★中国の伝説上の高士、許由(きょゆう)が尭帝(ぎょうてい)から帝位を讓ると言われたとき、それを断わって言ったとされる言葉。「庖人」が尭で、「尸祝」が許由の喩えとされる。 参考:潁川に耳を洗う
・坊主憎けりゃ袈裟まで憎い(ぼうずにくけりゃけさまでにくい)
・坊主の鉢巻き(ぼうずのはちまき) 1.締まりがないことの喩え。2.坊主の鉢巻きは滑り落ちるので、耳で受け止めることから、耳で聞いて知っているということの洒落(しゃれ)。
・坊主の花簪(ぼうずのはなかんざし) 1.女性とは無縁であるはずの僧侶が花簪を持っていても仕方ない。似つかわしくないものの喩え。 類:●比丘尼に笄(こうがい) 2.髪の毛のない坊主には髪飾りなど不要である。持っていてもなんの役にも立たないことの喩え。 ★「花簪」は、造花などを付けて美しく飾った簪のこと。
・坊主丸儲け(ぼうずまるもうけ) 僧侶は資本も経費もいらず、収入がそのまま全部儲けになるということ。また一般に、元手なしで思わぬ儲けをするようなこと。 類:●按摩掴み取り
・茫然自失(ぼうぜんじしつ) 呆気(あっけ)に取られて、我を忘れてしまうこと。また、気抜けのあまりぼんやりしてしまうこと。 類:●我か人か●手に持ったものを落とすよう