−ふか(huka)−
・分がある(ぶがある) そちらの方がより可能性が高い。そちらが優勢である。 例:「どうも相手チームに分があるようだ」
・深い川は静かに流れる(ふかいかわはしずかにながれる) 底の深い川ほど、水は静かに流れる。優れた能力を持つ人や思慮深い人は、常に落ち着いてゆったりしているということの喩え。 類:●Deep water runs still.●黙り猫が鼠を獲る●能ある鷹は爪を隠す 反:■浅瀬に徒波■口達者の仕事下手■空き樽は音が高い■痩せ犬は吠える
・不甲斐ない(ふがいない) 黙って見ていられないほどに意気地(いくじ)がない。まったくだらしがない。用例:虎寛本狂言・柑子「扨々おのれはふがいないやつの、鍔などに押れてつぶるるといふ事が有る物か」 例:「男の癖に腑甲斐無い」 ★「ふがい(ふがひ)」は「いふかひ」の略かというが不明。「腑」「不」は当て字か<国語大辞典(小)> 用例の出典:柑子(こうじ) 狂言。各流。預かっていた柑子(=蜜柑)を全部食べてしまった太郎冠者は主人に色々と言い訳をするが、ついに六波羅(=腹)に納めたと白状する。
・深い仲(ふかいなか) 濃密な関係という意味で、男女間の情交を伴う親密な間柄。
・斑が切れる(ふがきれる) 1.鼈甲(べっこう)にある黒い斑点(はんてん)に切れ目が入るという意味から、はっきり区別ができるようになること。踏ん切りが付くこと。けじめが付くこと。 用例:柳多留拾遺「鼈甲のふより買人のふが切れず」 2.喋り方や動作がはきはきしていること。
・不覚の涙(ふかくのなみだ) 1.他人に見せてはならないと思っていても、いつの間にか流れてしまう涙。2.失敗したりして悔しさのあまり流す涙。
・不覚の名を取る(ふかくのなをとる) 不名誉な評判を立てられること。油断して過(あやま)ちを犯し、不名誉な評判が立つ結果になること。
・不覚を取る(ふかくをとる) 思わぬ恥を掻く。油断して失敗する。
・不可抗力(ふかこうりょく) 1.天災・地変などのように、人の力では抵抗したり防止したりすることができない力や事態。 例:「不可抗力の事故」 2.法律用語。取引上、人が普通に要求される注意や予防方法を講じても損害を防ぐことができないこと。 ★主に私法上の責任や債務などを免れさせる標準として用いられる<国語大辞典(小)>
・不可思議千万(ふかしぎせんばん) この上もなく不思議に思える状態。言葉で言い表わすこともできない不思議なことである。常識では想像することもできできないような不思議な状態。
・腑が抜ける(ふがぬける) 1.思慮分別がなくなる。2.意気地がなくなる。勢いがなくなってぼんやりする。 類:●腑抜けになる
・分が悪い(ぶがわるい) 自分の方へ割り当てられる比率が良くないという意味から、人に比べて条件や形勢などが悪く、損である。振りである。 例:「風下では分が悪い」