−ふく(huku)−
・吹く風枝を鳴らさず(ふくかぜえだをならさず) 風が静かで木の枝も動かない。平和で穏やかな様子。世の中が良く治まり、天下太平であることの喩え。 類:●風条(えだ)を鳴らさず●雨塊を破らず●五風十雨 出典:「塩鉄論−水旱」「当此之時、雨不破塊、風不鳴条」
・河豚食う無分別、食わぬ無分別(ふぐくうむふんべつ、くわぬむふんべつ) 河豚の毒に構わず、無闇に食べるのも無分別だが、毒を恐れて河豚の美味を味わわないのも無分別であるということ。
・副産物(ふくさんぶつ) 1.ある品物を作る過程で、それに付随して得られる他のもの。2.転じて、あるものごとの発生や進展に伴って起こってくる他のこと。
・覆車の戒め(ふくしゃのいましめ) →前車の覆るは後車の戒め
・復讐するは我にあり(ふくしゅうするはわれにあり) ここでの「我」は、神のこと。悪を行なった者は、神が裁き、神が復讐するであろうということ。悪に対して悪で報いてはならない。 出典:「新約聖書−ローマ人への手紙」「主いい給う。復讐するは我にあり、我これを報いん」
・腹心の疾(ふくしんのやまい)[=にある病] 腹または心にある重い病気。救い難い憂(うれ)い。 類:●心腹の疾 出典:「春秋左氏伝−哀公六年」「除腹心之疾、而[ウ+眞]諸股肱、何益」
・腹心を布く(ふくしんをしく) 心の奥底にあるものを広く知らせるという意味で、心中を包み隠さず、すっかり打ち明けること。 出典:「春秋左氏伝−宣公十二年」
・覆水盆に反らず(ふくすいぼんにかえらず)[=返らず]
・河豚好きで灸嫌い(ふぐずきできゅうぎらい) 一歩間違えば死んでしまう河豚を好んで食べ、健康のことは少しも考えず、お灸(=医者)などは大嫌いな人である。河豚を食べて死ぬのなら本望(ほんもう)という、粋人(すいじん)気取りの者や、拗(す)ね者のこと。 ★江戸川柳に「玉の緒よ たえなばたえね 鰒(ふぐ)が好き」などがある。
・腹蔵ない(ふくぞうない) 腹に隠し持つものがない。考えや計画を全て明らかにし、何も心の中に包み隠していない。 例:「腹蔵ないご意見を」
・不倶戴天(ふぐたいてん) 《四熟》 共に天を戴(いただ)くことはできないという意味で、殺すか殺されるか、どちらにしてもこの世に一緒には生存はできない間柄であること。どうしても許せないほど怨みが深く、報復しないではいられないこと。また、そのような間柄。 類:●倶不戴天 例:「不倶戴天の敵」 出典:「礼記−曲礼・上」「父之讎、弗与共戴天、兄弟之讎、不反兵、交游之讎、不同国」 ★読み下して「倶(とも)に天を戴(いただ)かず」というようにも使う<国語慣用句辞典(集)>
・福徳の三年目(ふくとくのさんねんめ)[=百年目] 福徳を齎(もたら)す神様は三年目に回ってくるという意味で、久し振りに幸運に巡り会うこと。思い掛けない利益を得ること。
・腹背の風(ふくはいのかぜ) 腹と背中に当たる冷たい風という意味から、世間の人々の批判が渦巻く中に身を曝(さら)している状態である。
・河豚は食いたし命は惜しし(ふぐはくいたしいのちはおしし) 河豚は食べたいが下手に料理すると命を落とすという意味から、あることをしたいが、それをすると障害が生じるということ。結果の恐ろしさを思うと、中々実行に移せない。行なうか止めるか、どちらとも決められない。 類:●痛し痒し●Honey is sweet, but the bee stings.(蜜は甘いが蜂が刺す)
・覆盆の雨(ふくぼんのあめ) 水が一杯入ったお盆を覆(くつがえし)したような雨。どっと一気に振る強い大雨の喩え。
・含むところ(ふくむところ) 心の内に包み持つもの、収め隠しているもの。心に密かに持っている考えや企(たくら)み、または、恨み。 例:「上司に対して含むところがある」
・膨れっ面(ふくてっつら) 不機嫌で、また怒って、むっとした顔。頬を膨らました顔付き。 類:●ふくれづら●仏頂面
・袋の中の鼠(ふくろのなかのねずみ)[=内の〜] 袋の中に追いこまれた鼠。追い詰められて、逃げ出ることができない状態の喩え。 類:●袋の鼠
・袋の鼠(ふくろのねずみ) 追い詰められて逃げも隠れもできない状態の喩え。 例:「犯人はもう袋の中の鼠だ」