−ふん(hun)−
・刎頚の交わり(ふんけいのまじわり) 仮令(たとえ)首を斬られても悔いがないほどの、深い友情で結ばれた交際。生死を共にするような親しい交わり。 類:●莫逆(ばくげき)の交わり●管鮑(かんぽう)の交わり●金蘭(きんらん)の交わり●膠漆(こうしつ)の交わり●水魚の交わり●断金の交わり 故事:「史記−廉頗藺相如伝」 中国、戦国時代。趙(ちよう)の藺相如(りんしようじよ)が自分より上位に就いたことに怒った廉頗(れんぱ)は、相如を辱(はずかし)めようとしたが、両虎相闘うことを恐れた相如が只管(ひたすら)廉頗を避けていると伝え聞いて怒りを鎮めた。以後、刎頸の交わりを結び、共に趙の保全を図った。
・粉骨砕身(ふんこつさいしん) 《四熟》 骨を粉にして身を砕くという意味で、苦労して力一杯ものごとに立ち向かうことの喩え。一所懸命働くこと。 類:●骨身を惜しまず●骨を粉にする●身を粉にする●骨を砕く
・文質彬彬(ぶんしつひんぴん) 《四熟》 外見の美と内容とが釣り合っていること。外見が立派に整っていて、その実質も充実しており、程好く釣り合いが取れている状態。 出典:「論語−雍也」
・文章は経国の大業、不朽の盛事(ぶんしょうはけいこくのたいぎょう、ふきゅうのせいじ) 文学は国を治(おさ)めるのに匹敵するほどの大事業であり、後世(こうせい)永久に残る立派な事柄である。文学の不滅と永遠性を言った言葉。 出典:三国・魏の曹丕(そうひ)の「典論・論文」
・焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)
・分相応(ぶんそうおう) 身分や能力に相応なこと。相応(ふさわ)しいこと。 例:●一巣一枝の楽しみ
・踏ん反り返る(ふんぞりかえる) 「踏ん反る」を強めた言葉。足を前に出して上体を後ろへ反らすような姿勢を取る。威張った態度であること。 用例:咄・一休咄−上「それはいとやすき事なりとて、ふんぞりかへりて目口をひろげて」 類:●仰(の)け反り返る 例:「椅子に踏ん反り返る」 用例の出典:一休咄(いっきゅうばなし) 咄本(仮名草紙)。編著者不明。寛文8年(1668)。4巻。高僧としての一休禅師よりも、頓智頓才の持ち主としての一休の〈おどけ話〉が主体となっている。
・ふんだくる 強引に取る。強奪する。また、法外に高い代金を取る。 用例:滑・八笑人−二「どいつでもぐっとでもぬかすと、百ふんだくるぞ」 例:「祝い金だと言って大枚をふんだくられた」
・踏んだり蹴ったり(ふんだりけったり)・蹴(け)たり 酷(ひど)い目に遭った上に、また酷い目に遭うこと。重ね重ね被害に遭うことの喩 え。 類:●泣き面に蜂 例:「今日は踏んだり蹴ったりだったよ」 ★元は、その ような目に遭わせること。 用例:浄・夏祭浪花鑑−三「砂へ捻ぢつけ、石にてくら はし、踏んだり蹴たり、いろ/\に苛なむ」 ★「踏んだり蹴ったりの目に遭った」 のように、本来の使い方でも使う。酷い目に遭った上に、また酷い目に遭うこと。重ね重ね被害に遭うことの喩え。
・褌を締めて掛かる(ふんどしをしめてかかる) 気持ちを引き締めて事に当たる。十分に決心して取り掛かる。 類:●腹帯を締めて掛かる
・褌担ぎ(ふんどしかつぎ) 1.相撲(すもう)で、序二段以下の力士の俗称。関取の褌を持ち運びするところからいう。2.転じて、その世界で、最も低い位置にいるもの。入りたての未熟な者。 類:●下っ端
・糞土の牆は塰るべからず(ふんどのしょうはぬるべからず)[=塰(なだらかにす)べからず] 腐った土で造った塀は、剥(は)げ落ちても上塗りができない。性根(しょうね)の腐った者は教育する甲斐がないということ。 類:●朽木は雕るべからず 出典:「論語−公冶長」「宰予昼寝、子曰、朽木不可雕也、糞土之牆不可塰也」 孔子が、昼寝をしていた宰予(さいよ)を見て言った言葉。
・奮発する(ふんぱつする) 1.心を奮(ふる)い立たせる。 類:●発奮する 2.思い切って金を使う。決心して高価な品を買う。また、思い切って金品を差し出す。 例:「賞与が出たことだし特上を奮発するか」
・踏ん張る(ふんばる) 1.開いた足に力を入れて体勢をそのまま保つ。 類:●踏み堪(こた)える 用例:保元−中「鐙ふんばり、つ立上り、大音あげて」 2.土壇場(どたんば)などで、気力を出して堪(こら)える。我慢(がまん)する。 類:●頑張(がんば)る 例:「最後まで踏ん張る」 3.一途(いちず)に言い張る。人に屈しないで自分の主張を貫(つらぬ)く。 類:●頑張る●突っ張る
・噴飯物(ふんぱんもの) 1.食べ掛けの御飯を思わず噴き出すような話という意味から、おかしくて堪(たま)らず噴き出してしまうようなものごと。堪(こら)え切れないで失笑してしまいそうな話。2.取り上げるだけでも馬鹿馬鹿しくなるほど下(くだ)らないもの。 例:「あいつの言い訳など噴飯ものだ」
・分秒を争う(ふんびょうをあらそう) 一分一秒の遅れが事態の結果を左右するので、その僅(わず)かな時間を争わなければならない。ほんの僅かな時間を問題にしなければならないほど、事態が切迫していること。緊急を要すること。 類:●一刻一秒を争う
・文武両道(ぶんぶりょうどう) 《四熟》 学問にも武芸にも優(すぐ)れていること。また、そのような人。 類:●右文左武(ゆうぶんさぶ) ★古くは「ぶんぷ」とも<大辞林(三)>
・分別臭い(ふんべつくさい) いかにも分別がありそうである。いかにも思慮深いようである。 類:●分別がましい●分別顔 例:「子供の癖に分別臭いことを言う」
・分別過ぐれば愚に返る(ふんべつすぐればぐにかえる) 考え過ぎると、却(かえ)って余計なことを考えてしまって、迷いに落ちるものである。 類:●凝っては思案に余る
・文明の利器(ぶんめいのりき) 物質文明の発達によって作り出された、人間の生活をより便利にする機械や器具。 例:「パーソナルコンピュータは正に文明の利器だ」