−ふと(huto)−
・太い(ふとい)・太え(ふてえ) 1.心や気持ちが豊かで大きい。大胆である。落ち着きがあって安定している。細かいことに拘(こだわ)らない。 用例:万葉−一九〇「真木柱太(ふとき)心はありしかど」 2.悪い意味で、横着である・図々しい・図太くふてぶてしい・不埒(ふらち)である、など。 例:「太い料簡」「太い野郎だ」 用例:俳・毛吹草−五「竹の子をぬすむもふとき心哉」 3.歌論で、歌が堂々として雄大である。また、肉付きが良く逞(たくま)しい。 ★男性的で逞しい美を示し、「たけたかし」に近い。<国語大辞典(小)>
・不動の金縛り(ふどうのかなしばり) 1.不動明王が、羂索(けんさく)を使って掛ける、悪魔を縛って動けなくさせる術。2.転じて、人を自由に動けなくする術。修験者の秘法の一つ。
・不撓不屈(ふとうふくつ) 《四熟》 心が曲がらず挫(くじ)けないという意味で、どんな困難な事態に出会っても怯(ひる)まず挫けず、固い信念を持っていて、志(こころざし)を曲げないこと。 例:「不撓不屈の精神」 出典:「漢書−叙伝・下」「楽昌篤実、不撓不屈」 ★「不撓」は、撓(たわ)まないこと。
・不徳の致すところ(ふとくのいたすところ) 「不徳」は、徳を積み足りないということ。失敗や不都合があったとき、それは自分が至らないせいだとして、遺憾や反省を表明するときの慣用句。
・太く短く(ふとくみじかく) 一生を短期間に凝縮させたような精力的な生き方をすること。したいことをして楽しく過ごせるなら、長生きなどはしなくても構わないという処世の態度。 反:■細く長く
・不得要領(ふとくようりょう) 《四熟》 要領を得ないこと。あいまいで、肝心なところが分からないこと。
・懐が暖かい(ふところがあたたかい) 所持金がたくさんある。財産が豊かである。 反:■懐が寒い■懐が寂しい
・懐が痛む(ふところがいたむ) お金を入れておく懐が出費のため痛むという意味で、お金を余計に出さなければならないこと。 類:●懐を痛める●自腹を切る●腹が痛む
・懐が寒い(ふところがさむい) 持ち合わせている金が少ない。お金を僅(わず)かしか持っていない。また、財産がなくて貧しい。 類:●懐が寂しい 反:■懐が暖かい
・懐刀(ふところがたな) 1.懐や帯の間に挟んで携帯する小さい守り刀。 類:●懐剣 2.知謀に長(た)け、秘密の計画や相談などに参与する腹心(ふくしん)の部下。 類:●腹心●右腕●自家薬籠中の物 例:「社長の懐刀」
・懐が深い(ふところがふかい) 1.度量が大きい。包容力がある。2.理解や能力に幅がある。3.相撲で、身長が高く、両腕の長い力士に見られる能力で、四つに組んだとき、両腕と胸とで作る空間が広く、相手に中々回しを与えない。
・懐具合い(ふところぐあい) 所持金の都合。 類:●金回り●懐合い●懐都合
・懐にする(ふところにする) 1.懐に入れて携帯する。また、単に携帯する。2.手に入れる。
・懐を暖める(ふところをあたためる) 不正を行なって金儲けを図る。自分だけ利益を十分に上げる。 類:●懐を肥やす●私腹を肥やす●懐を膨らます
・懐を痛める(ふところをいためる) 自分のお金を使う。 類:●懐が痛む●身銭を切る●自腹を切る●腹が痛む
・懐を肥やす(ふところをこやす)[=膨(ふく)らます] 不当な利益を得る。不正な手段で私利を図る。 類:●私腹を肥やす●懐を暖める
・ふとした 思い掛けない。ちょっとした。 例:「ふとした過ち」
・太っ腹(ふとっぱら) 1.肥大した腹。太った腹。2.大胆なこと。図太いこと。3.度量が大きいこと。小さな事に拘(こだわ)らず、心が広いこと。 類:●太腹(ふとばら)●腹が太い 例:「太っ腹なところを見せる」 ★「ふとはら」の転<大辞林(三)>