−ふう(huu)−
・風雲急を告げる(ふううんきゅうをつげる) 状勢が不穏で、大事件が起きそうな差し迫った状態である。ただごとでない状勢になる。
・風雲児(ふううんじ) 事変に乗じて才能を現わし、目覚ましい活動をする人。 類:●英雄
・風雲の会(ふううんのかい) 1.時変の時。戦乱。2.竜が雲に乗り、虎が風を得て咆哮するように、賢臣と英明な君主とが巡り合うこと。英雄や豪傑が時を得ること。また、そのような時。 類:●風雲に際会(さいかい)す 出典:「易経−乾」「雲従竜、風従虎」
・風雲の志(ふううんのこころざし)[=望み] 竜が風や雲を得て飛躍するように、時運に乗じて大功を立てたり、出世したりしようとする気持ち。 例:「風雲の志を抱く」 出典:信(ゆしん)の言葉「或見兵書、遂有風雲之志」
・風雲の情(ふううんのじょう) 大自然の中へ漂白の旅に出たいという気持ち。
・風雲の便り(ふううんのたより) 自然についての報(しら)せ・拠りどころという意味で、大自然に親しむ手掛かりや、自然の心を呼び起こす手掛かりのこと。
・富貴は天にあり(ふうきはてんにあり) 人間の富貴は天命によるものであるから、人の力ではどうにもできない。 類:●運は天にあり鎧は胸にあり●運否天賦●命は天にあり 出典:「論語−顔淵」「子夏曰、商聞之矣、死生有命、富貴在天」
・富貴浮雲の如し(ふうきふうんのごとし) 道ならぬことで金持ちになったり、身分が高くなるのは、永久のものではなく、いつかは儚(はかな)く崩れ去るものである。 類:●不義にして富みかつ貴きは浮雲の如し 出典:「論語−述而」「不義而富且貴、於我如浮雲」
・風月の本主(ふうげつのほんしゅ) 風流の所有者という意味で、詩歌や文章に長じている人のこと。
・風月を友とする(ふうげつをともとする) 俗世間を離れ、自然に親しみ風流な生活をする。
・風光明媚(ふうこうめいび) 《四熟》 山や川の景色が清らかで美しいこと。
・風采が上がらない(ふうさいがあがらない) 容姿や身なりが良くない。主に、容姿がぱっとしない。
・風樹(ふうじゅ) 1.風に吹かれ戦(そよ)ぐ木。 類:●風木 2.既に死んでしまった親への思い。 類:●風樹の嘆 出典:「韓詩外伝−巻九」「樹欲静而風不止、子欲養而親不待也」
・風樹の歎(ふうじゅのたん) 親に孝養をしようと思い立ったときには、既に親が死んでいて、孝養を尽くすことができないという嘆き。 類:●風木(ふうぼく)の悲しみ●木静かならんと欲すれども風止まず 出典:「韓詩外伝−巻九」
・風する馬牛も相及ばず(ふうするばぎゅうもあいおよばず) 「風する」は発情して雌雄が誘い合うこと。 1.盛りの付いた馬や牛は、相手をどこまでも追い回していくものだが、そんな牛馬でも及べないほど遠く隔(へだ)たっていること。 類:●風馬牛も相及ばず 2.利害関係がないこと。無関係であること。また、無関心な振りをすること。 類:●風馬牛●我関せず焉(えん) 出典:「春秋左氏伝−僖公四年」「君処北海、寡人処南海。唯是風馬牛不相及也」
・風声鶴唳(ふうせいかくれい)
・風前の塵(ふうぜんのちり)[=埃(ほこり)] ものごとが儚(はかな)く頼りないことを喩えていう言葉。 用例:太平記−13「誠に百年の栄耀は風前の塵、一念の発心は命後の灯なり」
・風前の灯(ふうぜんのともしび)
・風袋倒し(ふうたいだおし) 外観は立派であるが、実質がそれに伴っていないこと。また、そのもの。 類:●見掛け倒し ★「風袋」は、品物を入れたり包んだりしている包装袋・箱・缶などのこと。転じて、実質に対しての、外観のこと。
・風波が起こる(ふうはがおこる) 風が起き、波が荒くなって海が荒れ模様であるという意味から転じて、争いごとや揉め事が起こること。 類:●風波が生ず●波風を立てる
・風馬牛(ふうばぎゅう) 1.「風」は、盛りが付いて雌雄が呼び合うこと。慕い合って遠方にまで逸走する牛や馬の雌雄でさえも会うことのできないほど、両地が遠く離れていること。転じて、慕い合う者同士が遠く隔たっていて会えないことの喩え。 出典:「春秋左伝−僖公四年」「唯是風馬牛不相及也」 2.転じて、自分とは無関係なこと。また、関係ないこととして無関心な態度を取ること。
・夫婦喧嘩は犬も食わぬ(ふうふげんかはいぬもくわぬ) 夫婦喧嘩は犬さえ気に留めない。夫婦の諍(いさか)いは一時的ですぐに和解するものが多いから、他人が仲裁などするものではないということ。または、仲裁するのは馬鹿らしいことだということ。
・夫婦染みる(ふうふじみる) 夫婦がいかにも夫婦らしい様子であること。または、本当は夫婦ではないのだが、夫婦らしく仲睦まじい様子に見えること。
・夫婦は合わせ物離れ物(ふうふはあわせものはなれもの) 夫婦は元々他人同士が一緒になったのだから、別れることがあっても仕方がないということ。
・夫婦は二世(ふうふはにせ) 夫婦の縁はこの世ばかりでなく来世までも繋(つな)がるということ。 例:「親子は一世夫婦は二世」 ★「親子は一世」「主従は三世」に対していう<大辞林(三)>
・夫婦別あり(ふうふべつあり) 親しい夫婦の間であっても、互いに遠慮や礼儀などがあるべきだということ。夫婦の関係は「礼」を元とせよということ。 出典:「孟子−滕文公・上」「父子有親、君臣有義、夫婦有別、長幼有序、朋友有信」
・風林火山(ふうりんかざん) 《四熟》 戦国時代、武田信玄が軍旗に用いた「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」の略称。また、その軍旗。 出典:「孫子−軍争」「故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山、(中略)先知迂直之計者勝。此軍争之法也」