−いき(な)(iki5)−
・生き長らえる(いきながらえる) 1.生きてこの世に長く留まる。2.死なねばならぬところを生き続ける。 用例:浄・艶容女舞衣−下「人を殺し一日も生きながらへる所存はなく候得共」
・行き成り(いきなり) 1.ものごとの成り行きのまま。十分に考えないで軽率に行なう様子。また、やりっ放しにすることにも言う。 用例:洒・傾城買指南所「とふとふ勘当をくらった。是からは、行(イキ)なりといふ世界だ」 2.予期する間もなく突然。 用例:滑・浮世床−初「山の神めヱ。<略>いきなりに胸ぐらよ」 3.突然に。出し抜けに。 用例:滑・七偏人−五「往(イキ)なりまづ青くなり」 用例の出典:傾城買指南所(けいせいがいしなんじょ?) 洒落本。田螺金魚(たにしきんぎょ)。安永7年(1778)。
遊女・夕霧が早死したあと、2代目夕霧と仲良くしているところに、死んだ筈の初代が現れるという話。 →近松徳三の歌舞伎「百千鳥鳴門白浪(ももちどりなるとのしらなみ)」の元となる。
・行き成り三宝(いきなりさんぽう) ものごとの成り行きに任(まか)せること。やりっ放しにすること。 用例:雑俳・柳多留−一〇「行なりさんぼう男の雨やどり」
・異議に及ぶ(いぎにおよぶ) 承知しないであれこれと言う。敢えて反対する。
・意気に燃える(いきにもえる) あることをしようとする意気込みが、火の燃えるように、盛んになる。 例:「社会改革の意気に燃える」
・息抜き(いきぬき) 1.緊張から解放されて、暫(しばら)く休むこと。 類:●休息●息休め 2.空気の流れを良くするための装置や穴。換気口。 類:●息抜かし
・息の根を上げる(いきのねをあげる) 自由に呼吸する。転じて、思い通りに振る舞う。 用例:浄・姫小松子日の遊−一「天子にさへ息の根上げさせぬ清盛」
・息の根を止める(いきのねをとめる) 1.呼吸を止めて声を出さないようにする。2.殺す。また、徹底的にやっつける。