−いま(ima)−
・今泣いた烏がもう笑う(いまないたからすがもうわらう) 今まで泣いていた者が、すぐ後、機嫌を直して笑っていること。主に、子供の喜怒哀楽の変わり易いのを囃していう。
・今に始めぬ(いまにはじめぬ)[=始まったことではない] 従来からそうだったことで、現在も変わらない。
・今の因果は針の先回る(いまのいんがははりのさきまわる) 昔のことよりも今のことの因果の方が早く巡って来る。因果というものは思っているよりも早く巡って来るものだ。
・今は昔(いまはむかし) 今ではもう昔のこと。説話や物語文学の冒頭に使われる慣用的な言い回し。 類:●むかしむかし 用例:竹取「いまはむかし、竹取の翁といふもの有けり」
・今参り二十日(いままいりはつか)[=百日(ひゃくにち)・三日(みっか)] 奉公人の常として、来た当座は忠実に働くが、往々にして、間もなく怠(なま)け始めるということ。
・今や遅し(いまやおそし) 今か今かと待ち兼ねている気持ち。
・今際の際(いまわのきわ)[=折・刻(きざ)み・時] 臨終(りんじゅう)の時。最期の瞬間。 ★「いまわ」は、「今は限り」の後方省略から出来た言葉という。
・今際の念仏誰も唱える(いまわのねんぶつだれもとなえる) 普段は不信心だった人でも、死ぬ間際には念仏を唱えて仏に縋(すが)るものである。自分が苦境に陥(おちい)った時だけ神仏に祈って助けを求めること。 類:●死にがけの念仏●苦しい時の神頼み
・今を時めく(いまをときめく) 現在、世に持て囃されているもの。今を盛りと栄えている様子。