−いし1(isi1)−
石頭(いしあたま) 1.石のように堅い頭。堅くて、叩いても痛みを感じないような頭。2.融通が利かず、物分かりが悪いこと。また、その人。 類:●四角四面●堅物 用例:雑俳・柳多留−143「佐用姫は生れ落から石天窓」
石臼切らんより茶臼切れ(いしうすきらんよりちゃうすきれ) 同じ労力を費やすならば、石臼でなく茶臼を作れという意味で、価値の高いものや利益の多いものを作れということ。
石が流れて木の葉が沈む(いしがながれてこのはがしずむ)
石亀の地団駄(いしがめのじだんだ)[=も〜] 雁が飛ぶのを見て石亀も飛ぼうとするが、石亀にできるのはせいぜい地団駄を踏むぐらいのことだ、という意味から、他人のすることを真似ようとしても、自分の力でできることは限度があるということ。 類:●鵜の真似する烏●田作の歯軋り ★「雁が飛べば石亀も地団駄」の略<国語大辞典(小)>
意地汚い(いじきたない・いじぎたない) 飲食や金銭などを、無闇に貪(むさぼ)ろうとする心が強い。意地がきたない。 類:●いじましい 用例:随・皇都午睡−三「意地穢なきを、あたじけない」 例:「意地汚く食う」 用例の出典:皇都午睡(みやこのひるね・こうとごすい) 随筆集。西沢一鳳。嘉永3年(1850)。・・・詳細調査中。
意識の流れ(いしきのながれ) 英語 stream of consciousness の訳語。 1.思想は、個人の意識の常に変化し連続した部分として意味を持つというウィリアム=ジェームズの主張。ベルグソンの純粋持続もこれに類する。2.言語、行動に現われない人間の潜在意識の流動を忠実に表現しようとする文学上の手法や立場。 人物:ウィリアム=ジェームズ(William James)  アメリカの哲学者、心理学者。1842〜1910。機能的心理学の提唱者で、アメリカの社会的現実に即した思想を展開した。主著「心理学原理」「宗教的経験の諸相」「プラグマティズム」「根本的経験論」。 参考(人物):ベルグソン(Henri Bergson) フランスの哲学者。1859〜1941。生の哲学の樹立者。真の実在は純粋持続であり、持続が弛緩(しかん)すれば生命が物質化するが、持続の緊張は生命の飛躍となり、創造的進化となり、直観によってのみとらえられる、とした。著書「意識の直接的与件(時間と自由)」「創造的進化」「道徳と宗教との二源泉」。
弄繰り回す(いじくりまわす) 1.指先で矢鱈(やたら)に撫でたり捻ったりすること。また、器械などを慰みに弄(もてあそ)ぶこと。 例:「時計を弄繰り回して壊す」 2.はっきりした方針や目的もなく、無闇に手を加えて、変えたり、動かしたりする。
いじける 1.寒さや恐れなどのために、縮まって元気がなくなる。 用例:俳・いつを昔「草は皆女いじけぬさがの町」 2.消極的になり、ひねくれたり、物怖じしたりする。引っ込み思案になる。 用例:評判・満散利久佐「かほだち、しほありてよし。されどうれぬゆへか、いぢけたり」 用例の出典@:いつを昔(いつをむかし) 松尾芭蕉の俳句集。其角編。元禄3年(1690)。 用例の出典A:満散利久佐(まさりぐさ?) 仮名草紙。遊女評判記集。・・・調査中。
石地蔵(いしじぞう) 1.石で造った地蔵菩薩像。2.無口な人や、色恋について何の興味も示さない女性などを喩えて言う。
石地蔵に蜂(いしじぞうにはち) 痛くも痒(かゆ)くもないことの喩え。 類:●牛の角を蜂がさす●蛙の面に水
意地っ張り(いじっぱり) 自分の思い込んだことを、他人に逆らってでも押し通そうとする性質。また、その人。 類:●意地張り
石に噛り付いても(いしにかじりついても) 目的を達するためなら、どんな苦しい思いをしても、それを耐え忍ぶ覚悟だという場合に言う。 類:●石に食い付いても●雨が降ろうと槍が降ろうと●火が降っても槍が降っても●火の雨が降っても
石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす)
石に灸(いしにきゅう)[=針・灸(やいと)の仇煙(あだけむり)] まるで効き目がない。 類:●鹿の角を蜂が刺す
石に立つ矢(いしにたつや) 一心をこめて事を行なえば、不可能なことはないということのたとえ。 類:●念力岩をも徹す●岩に立つ矢●断じて行えば鬼神もこれを避く●Where there is a will, there is a way. 故事:「韓詩外伝−六」、「史記−李広伝」 楚の熊渠子(ゆうきょし)の話、または、漢の李広(りこう)が石を虎と思って矢を放ったところ射通った。(→参考:寝石を視て伏虎と為す) 出典:韓詩外伝(かんしがいでん・げでん) 中国、古代説話集。10巻。前漢初の韓嬰(かんえい)著。古い文献から、教訓的な説話、警句を選び、「詩経」の詩句と関連づけて編集したもの。
石に花(いしにはな) 現実には起こる筈もないことの喩え。 類:●石の上の花●岩に花●川の石星となる●牡猫(おすねこ)が子を産む
石に判(いしにはん) 確実なものを更に確実にすること。絶対に約束違いがないことの喩え。 類:●石に錠●石の証文岩の判●石屋の尻に老中の判
石に布団は着せられず(いしにふとんはきせられず) 墓石には布団を掛けられないという意味で、親孝行しようとしても死んでしまってからではもう遅いということ。 類:●親孝行したいときには親はなし
意地にも我にも(いじにもがにも) 意地を張っても我慢をしてもという意味で、耐えられない場合に使う。
石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)