−いち(を)(itiwo)−
・一を挙げて百を廃す(いちをあげてひゃくをはいす) 一つに拘(こだわ)って多くを疎(おろそ)かにすること。 出典:「孟子−尽心」「所悪執一者、為其賊道也。挙一而廃百也」
・一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)[=万(ばん)を知る]・[=悟る] 少しのことを聞いて、他の全てのことが分かるということ。 非常に賢く、理解が早い人の形容。 出典:「論語−公冶長」「回也、聞一以知十。賜也、聞一以知二」
・一を聞いて二を知る(いちをきいてにをしる) 一つを聞いただけで、推し量って二つを悟り知る。 出典:「論語−公冶長」「賜也、聞一以知二」
・一を知って二を知らず(いちをきいてにをしらず) 一方だけを知って、他方を知らないこと。見識が狭いこと。 出典:「荘子−天地」「孔子曰、彼仮修渾沌氏之術者也、識其一、不知其二。治其内而不治其外」
・一を賞して百を勧め、一を罰して衆を懲らす(いちをしょうしてひゃくをすすめ、いちをばっしてしゅうをこらす) 一人の善行を表彰して多くの人に善行を勧め、一人の悪行を処罰して多くの悪行を戒める。 出典:「文中子−立命」「賞一以勧百、罰一以懲衆」 出典:文中子(ぶんちゅうし) 隋代の儒者王通の諡(おくりな)。また、王通と門人との対話の記録を門人が整理し、「論語」に模して編纂した書の名。「中説」とも。
・市を為す(いちをなす) 1.市場を開いて物品の売買をする。交易をする。2.人が多く集まる。 例:「門前市をなす」
・一を以て之を貫く(いちをもってこれをつらぬく) 一つの道理を以って全体を貫く。 出典:「論語−里仁」「参乎、吾道一以貫之」
・一を以て万を知る(いちをもってばんをしる)[=察(さっ)す] 少しのことを聞いて、他の全てのことが分かるということ。 類:●一を聞いて十を知る 出典:「荀子−非相」「以一知万、以微知明」