−いつ(さ)1(itu3-1)−
・一切合切(いっさいがっさい)・一切合財 1.何もかも全部。残らず。全てのもの。 類:●一切 例:「洪水で家財の一切合切を失くす」 2.後ろに打消しを伴って副詞的に、全然、一切。 ★同じ意味の「一切」と「合切」を重ねて強めた語<国語大辞典(小)>
・一切の男子をば生々の父とたのみ、よろずの女人を生々の母と思え(いっさいのなんしをばしょうじょうのちちとたのみ、よろずのにょにんをしょうじょうのははとおもえ) 全ての人は、無限の過去から生まれ変わり、死に変わって互いに父母となってきたのだから、全ての男を父と思い、全ての女を母と思って大切にしなければならないという教え。 出典:「梵網経−下」「一切男子是我父、一切女人是我母。我生生無不従之受生」
・一粲に供する(いっさんにきょうする) 贈り物をしたり自作の詩文などを読んだりすることを遜(へりくだ)っていう。 類:●お笑い種(ぐさ)にする
・一粲を博す(いっさんをはくす) 自作の詩文などがを人に読んで貰うことを謙遜して言う。 類:●一笑に供える●お笑い種になる●お笑い種までに
・一糸一毫(いっしいちごう) 極めて僅かな分量。極めて僅かなこと。
・一死一生すなわち交情を知る(いっしいっしょうすなわちこうじょうをしる) 死、生などのことある度に、人情の表裏を知る。 故事:「史記−汲鄭伝賛」「一死一生乃知交情、一貧一富乃知交態、一貴一賤交情乃見」 中国、前漢の時代、(てき)公が、一時官を罷(や)め、後に復職した。廷尉にあるときは先を争ってご機嫌伺いに来たのに、罷めるときは誰一人来なかった。その時々によって人の態度が異なるのを見て、門前に書き付けた言葉。
・一子相伝(いっしそうでん) 学問や武道などで、奥義を自分の子の中の一人にだけ伝えて、他の者には秘密にすること。 類:●門外不出
・一視同仁(いっしどうじん) 誰彼の差別なく、全ての人を平等に見て一様に愛すること。 類:●平等慈愛●博愛衆に及ぼす 出典:韓昌黎集(かんしょうれいしゅう) 「昌黎(しょうれい)先生集」とも。中唐。成立年不詳。韓愈の詩文集。40巻。外集10巻・遺文1巻。韓愈の死後、門人の李漢が編集したもの。 人物:韓愈(かんゆ) 中国、唐代の文人、政治家。768〜824。唐宋八大家の一人。弖州、南陽の人。字は退之。号は昌黎。諡は文公。徳宗、憲宗、穆宗に仕え、官は吏部侍郎に進む。四六駢儷文を批判し、散文文体(古文)を主張。儒教を尊び、仏教、道教を排撃した。詩をよくし、白居易とともに「韓白」と並び称された。著「昌黎先生集」40巻、「外集」10巻など。
・一糸乱れず(いっしみだれず) 秩序正しく整然としている。
・一瀉千里(いっしゃせんり) ものごとの進み具合いの勢いが激しく、淀(よど)みなく速く捗(はかど)ること。 類:●立て板に水●立て板に豆 出典:福惠全書(ふくけいぜんしょ) 清。黄六鴻撰。30巻。福を地方に与え,恵みを民衆に施 すべき地方行政の要訣を説いたもの。 ★「瀉」は水が流れ下る意。川の水が一度流れ始めると一気に千里も流れるというところから<国語大辞典(小)>
・一種一瓶(いっしゅいっぺい) 「ひといろの肴(さかな)」と「一本の徳利の酒」。酒と肴。転じて、簡単な酒宴。
・一宿一飯(いっしゅくいっぱん) 一晩泊めて貰い、一度食事を振る舞われること。旅の途上などで通り掛かりにちょっと世話になること。 例:「一宿一飯の恩義」 類:●一飯の徳
・一生懸命(いっしょうけんめい) 1.命懸けで事に当たること。一心に骨折りすること。一途な気持ちになること。 類:●一所懸命 例:「一生懸命に勉強する」 用例:浄・仮名手本忠臣蔵−三「主人一生懸命の場にも有合さず」 2.引くに引けない切羽詰まった様子。事が決する瀬戸際。 用例:浄・摂津国長柄人柱−四「今が一生懸命、生死の境」 3.重大なこと。大変なこと。 用例:伎・油商人廓話−四幕「揚代が無駄になっては一生懸命ぢゃ」 ★「一所懸命」の変化<国語大辞典(小)> 用例の出典:摂津国長柄人柱(せっつのくにながらのひとばしら) 浄瑠璃。享保12年(1727)。並本宗輔・安田蛙文作。長柄橋の人柱伝説を素材にしたもの。
・一将功なりて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
・一笑に付す(いっしょうにふす)[=付する] 笑って、問題にしないで受け流す。馬鹿にして相手にしない。
・一升入る壺は一升(いっしょうはいるつぼはいっしょう) 一升入りの容器には、どうやっても一升以上は入らない。ものには限度がある。 ★「壺」以外に「瓶(かめ)」「徳利」「柄杓(ひしゃく)」「瓢箪(ひょうたん)」「袋」などともいう<国語大辞典(小)>
・一触即発(いっしょくそくはつ) ちょっと触ると直ぐ爆発しそうであるという意味から、小さな切っ掛けで直ぐある事態が発生しそうな危機にある。差し迫った危機。 類:●危機一髪
・一緒くた(いっしょくた) 1.色々なものごとを秩序なく一つに纏(まと)めること。ごちゃ混ぜにすること。 例:「色々な書類が一緒くたに置かれている」 2.同一視すること。 例:「あいつと俺を一緒くたにするな」 ★「くた」は、「腐(くた)す」「芥(あくた)」などの「くた」と同源。
・一所懸命(いっしょけんめい) 1.一か所の所領に命を掛けて、生活の頼みとすること。2.生死を掛けるような、差し迫った事態。命懸けのこと。 類:●必死●一生懸命 用例:浄・舎利−四「一しょけんめいの難をまぬがれ」 用例の出典:舎利(しゃり) 浄瑠璃。近松門左衛門。延宝5年(1677)?。・・・調査中。
・一所懸命の地(いっしょけんめいのち)[=領地(りょうち)] 一所の領地で、死活に関わるほど貴重な土地。 類:●懸命の地 ★元来は、自分の名字の由来する土地(本拠地)を指したが、後には恩給地をも含め、自分の所領地全部をいうこともあった。<国語大辞典(小)>
・一緒になる(いっしょになる) 1.ある場所で出会う。二つ以上のものが合わさって一つになる。2.夫婦になる。結婚する。
・一所不住(いっしょふじゅう) 主に僧などが、諸所を行脚(あんぎゃ)して一か所に定住しないこと。居所が一定しないこと。 類:●無宿