−いつ(さ)2(itu3-2)−
・一指を染める(いっしをそめる) ちょっとだけ関与する。ほんの少し手を出す。
・一矢を報いる(いっしをむくいる) 1.敵からの攻撃に対して、矢を射返す。 類:●反撃する 2.転じて、他から向けられた議論などに対して反論する。
・一心岩をも通す(いっしんいわをもとおす) 心を集中し、思いを込めてすれば、どんなことでもできるというたとえ。 類:●石に立つ矢●念力岩をも徹す
・一心同体(いっしんどうたい) 二人以上の人間が心を一つにして、一人の人間のように力を合わせること。 類:●異体同心 ★誤って「一身」とも表記<国語大辞典(小)>
・一心不乱(いっしんふらん) 唯一つのことに心を集中していて、他に注意を奪われないでいる様子。 類:●一生懸命●脇目も振らず 例:「一心不乱に勉強する」 ★古く、「いっしんぷらん」とも<国語大辞典(小)>
・一身を誤まる(いっしんをあやまる) 身の処し方を間違え、一生を台無しにする。 類:●身を誤まる
・一新を画す(いっしんをかくす) 古い事を全て改め、まったく新しい事を行なって、前の時代とは明確に区切りを付けるということ。 類:●新世紀を画す
・一炊の夢(いっすいのゆめ) 「枕中記」の故事から、枕をして眠ること。また、人の世の栄枯盛衰が儚(はかな)いことの喩え。 類:●邯鄲の夢
・一寸先は闇(いっすんさきはやみ)
・一寸下は地獄(いっすんしたはじごく) 船乗りの仕事の危険なたとえ。 類:●板子一枚下は地獄
・一寸戸(いっすんど) 1.戸や障子をきちんと閉めないで、少し開けたままにすること。また、無作法なこと、締まりがないことなどの喩え。2.「下衆の一寸鈍夫の三寸馬鹿の開け放し」の諺(ことわざ)から、下男、下女の類(たぐい)のこと。下衆(げす)な者。 用例:雑俳・柳多留拾遺−一○「奥様も元を尋ねりゃ一寸戸」
・一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)
・一寸伸びれば尋伸びる(いっすんのびればひろのびる) (一尋は約六尺。) 今一寸伸びておくことが、後で六尺伸びることと同じ結果に繋がるという意味から、当座の困難を切り抜ければ、先に行って楽になるということの喩え。
・一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい)
・一世一代(いっせいちだい) 一生のうち唯一度であること。 類:●一代一世●一世一度 例:「一世一代の大仕事」 ★「一世一度」の類推、転化から生じた語という<国語大辞典(小)>
・一石二鳥(いっせきにちょう) 一つの石で二羽の鳥を撃ち落とすという意味から、一つの事をして、二つの成果を得る喩え。 類:●一挙両得 ★語源は、英語のkill
two birds with one stone.から。
・一席打つ(いっせきぶつ) 聴衆に向かって、演説や威勢の良い話などをする。 例:「会議で一席打ってきた」
・一席設ける(いっせきもうける) ちょっとした集まりや宴会を開き、人を招(まね)く。また、その用意をする。 例:「先生のために一席設けました」
・一石を投じる(いっせきをとうじる) 石を水に投げ込むと波紋ができて次第に外へ広がっていくことから、反響を呼ぶような問題を投げ掛けること。 例:「彼の作品は画壇に一石を投じた」
・一線を画す(いっせんをかくす) 境界をはっきりさせる。はっきりと区切りを付ける。
・一巣一枝の楽しみ(いっそういっしのたのしみ) 鷦鷯(みそさざい)は一本の枝に巣を作って満足し、溝鼠(どぶねずみ)は小さな腹一杯に水を飲んで満足するところから、分を知り分に安んずることのたとえ。 類:●分相応 出典:「荘子−逍遥遊」
・一足飛び(いっそくとび) 1.両足を揃(そろ)えて飛ぶこと。2.別の地点まで一気に移動すること。また、急いで走る様子。 用例:浄・孕常盤−四「一足とびにかけあがり」 3.順序を踏まないで、飛び越えて進むこと。 用例:浮・世間胸算用−三「一足とびに分限に成事を思ひ」 用例の出典:孕常盤(はらみときわ) 浄瑠璃。時代物。5段。近松門左衛門。宝永7年(1710)大坂竹本座。清盛の子を宿し、館を逃れ捕えられた常盤御前を、牛若丸と弁慶が助ける段が中心。五条橋での牛若と弁慶の主従契約、牛若と浄瑠璃姫の恋物語なども盛り込む。
・いっそのこと 1.普通では取らないような手段を選ぶときの気持ち。思い切って。 類:●却(かえ)って●寧(むし)ろ 例:「いっそのこと、さぼっちまおうか」 2.望ましいものを諦(あきら)めて、嫌な方を選ぶときの、投げ遣りな気持ち。どうせ駄目(だめ)なら。ええい、もうどうとでもなれ。 類:●いっその腐れに●儘(まま)よ 用例:浄・井筒業平河内通−三「仏神もいっその事、畜生並みにおぼしめし」 例:「いっそのこと、燕尾服でも着込んで参列するか」