−いつ(は)(itu6)−
一杯一杯(いっぱいいっぱい) 1.収支が釣り合っていること。過不足がない。損得がない。2.その人が持つ力量の上限一杯。
一杯食う(いっぱいくう) 人に騙(だま)される。 類:●牛に食らわる
一杯食わせる(いっぱいくわせる)[=食わす・食らわす・参らす・つかます・計る] 巧く騙(だま)す。
一敗地に塗る(いっぱいちにまみる)・塗れる 再び立ち上がれないほど徹底的に打ち負かされる。「地に塗る」は、戦死者の肝臓や脳が大地に散らばって土に塗れることを意味する。 故事:「史記−高祖本紀」「天下方擾、諸侯並起。今、置将不善、壱敗塗地」<ここで適任者を選び損ねたら、大敗を喫し、再起不能になってしまう> 沛県の長老たちから県令になってほしいと請われたとき、劉邦が辞退して言った言葉。結局、推(お)されて「沛公」となった。
一杯は人酒を飲む、二杯は酒酒を飲む、三杯は酒人を飲む(いっぱいはひとさけをのむ、にはいはさけさけをのむ、さんばいはさけひとをのむ) 少量の飲酒のときは自制心が残っているが、酔うに従って乱れ、終いには酒に飲まれてしまうということ。多量の飲酒を戒める言葉。
一端(いっぱし) 1.一度。一旦(いったん)。また、一先(ひとま)ず。 用例:評判・満散利久佐「一(イッ)ぱしは、人のかふて、みたがる、よそほひ也」 2.まだ未熟なくせに、さも一人前であるように振る舞うのを嘲(あざけ)って言う。まるで一人前のように振る舞う。人並みに。偉そうに。 用例:雑俳・柳多留−初「猿田彦いっぱし神の気であるき」 例:「駆け出しのくせに一端の口を利く」 3.一廉(ひとかど)の。相当な。かなりの。 ★2.のような嘲りの気持ちを含めないで言う。 例:「一端の学者である」
一髪千鈞を引く(いっぱつせんきんをひく) 一筋の髪の毛で千鈞(3万斤・約18トン)の重さのものを引くという意味で、極めて危険なことをするたとえ。 出典・人物:韓愈の詩
一波わずかに動いて万波随う(いっぱわずかにうごいてなみしたがう) 一つの事件が起きたために影響が諸方面に及ぶ。事件が小さくても、その影響力が大きいときなどに使う。
一飯の徳(いっぱんのとく)[=恩] たった一度の飯を与えられた恵み。僅かな恩。
一飯の徳も必ず償い、睚眦の怨みも必ず報ゆ(いっぱんのとくもかならずつぐない、がいさいのうらみもかならずむくゆ) 「睚眦(がいさい)」は目を怒らせて睨(にら)むこと。一度食事をご馳走になったほどの恩でも必ず返し、ちょっと睨まれたぐらいの恨みにも必ず仕返しをする。人から受けた恩と恨みは必ず返すということ。 類:●信賞必罰 出典:「史記−范雎蔡沢列伝」「一飯之徳必償、睚眦之怨必報」 中国の戦国時代、秦(しん)の宰相・范雎(はんしょ)がモットーとしていた。
一斑を以って全豹を卜す(いっぱんをもってぜんぴょうをぼくす)
一匹狼(いっぴきおおかみ) 群を離れて一頭だけで生きている狼。転じて、集団の力に頼らず、自分の力だけで、孤立して行動する人。
一匹の馬が狂えば千匹の馬が狂う(いっぴきのうまがくるえばせんびきのうまがくるう) 人は兎角(とかく)他人の尻に付いて行動しがちであるということ。
一臂を仮す(いっぴをかす) 片方の臂(ひじ)と片腕を貸すという意味から、僅かな助力を与える。 類:●一臂の力を貸す●助太刀
一顰一笑(いっぴんいっしょう) 顔を顰(しか)めたり笑ったりすること。表情のちょっとした動きのこと。 出典:「韓非子」
一夫関に当たれば万夫も開くなし(いっぷかんにあたればばんぷもひらくなし) 一人が守れば、万人が力を揮っても通れない関所という意味から、極めて険しい山路や要塞。守り易く攻め難い、要害堅固な所のこと。 出典:李白「蜀道難」
一偏漢(いっぺんかん) 一方にだけ偏っている様子。一つの考えに凝り固まっていること。 用例:周易抄「孔子の心は一辺漢にはあるまいぞ」 用例の出典:周易抄(しゅうえきしょう) 寛平9年(897)。宇多天皇筆。易経の抄。・・・詳細調査中。
鷸蚌の争い(いつぼうのあらそい)
一歩を譲る(いっぽをゆずる) 1.力量、品位、性質などで、引けを取る。一段階劣る。 例:「一歩を譲る所がある」 2.自分の主張や意見の一部分を引っ込めて、相手の説を少し取り入れる。ちょっと譲歩する。 例:「仮に一歩譲っても」 類:●一目置く●後塵(こうじん)を拝す
一本気(いっぽんぎ) 1.純粋で、混じり気(け)がないこと。 用例:滑・膝栗毛−七「こないな一本木の米ばかりのめしは」 2.ものごとを一途(いちず)に思い込む性質。 用例:「料理に関しては一本気な男だ」
一本立ち(いっぽんだち) 1.広い所に樹木が唯一本生えていること。2.一人だけで、周囲に人がいないこと。 類:●孤立 3.家、山などが独立して離れていること。4.他人の助けを借りないで独力で仕事をしたり、生活したりすること。また、その人。 類:●独立●独り立ち 用例:雑俳・生鱸「大坂で一本立の世帯する」 用例の出典:生鱸(なますずき?) 雑俳。・・・調査中。
一本取られる(いっぽんとられる) 1.勝負などで、負けること。2.議論などで、相手の論に言い負かされる。また、相手の言ったことが言い得て妙であるときに、相手を褒めて言ったりもする。 例:「いやあ、こいつは一本取られましたな」
一本槍(いっぽんやり) 唯一つの手段や目的を押し通すこと。 類:●一点張り●ひたすら 例:「勉強一本槍」 2.常に行なう唯一つの得意な技。唯一つしかない手段。