−かい(kai1)−
・槐安の夢(かいあんのゆめ) 夢のこと。また、儚(はかな)いことの喩え。 類:●南柯の夢●槐夢(かいむ) 故事:「南柯記」 唐の淳于壅(じゅんうふん)が自宅の槐(えんじゅ)の木の下で酔って寝ていたところ、夢に二人の使者の迎えをうけて、槐安国に行き、国王の娘を娶(めと)って、南柯郡の太守となり20年を経たが、覚めてみれば、槐安国とは、槐の木の下の穴にいる蟻の国であり、南柯郡とは、その木の南向きの枝であったという。
・飼い犬に手を噛まれる(かいいぬにてをかまれる)
・甲斐甲斐しい(かいがいしい) 1.ものごとを行なったり希望したりする張り合いがある。甲斐がある。期待通りである。 用例:源氏−早蕨「かゐがゐしくぞあひしらひ聞こえ給ふめる」 用例:十訓抄−一〇「さてかひがひしく千載集に入にけり」 2.しっかりしていて頼みにできるような。 用例:金刀比羅本平治−下「われらかひがひしき身ならねば」 3.手際良く、てきぱきとものごとを行ない、効果が上がるように見える。勢いが良く労を惜しまない。果敢な。 用例:古今著聞集−一六・五一九「かひがひしく皆くひてけり」 例:「甲斐甲斐しく看病する」 参考:金刀比羅本(ことひらぼん) 「平治物語」には、古態本(陽明文庫本・学習院本)と金刀比羅本とがある。・・・調査中。
・買い被る(かいかぶる) 1.物を、実際の値打ちより高く買う。 類:●買いかずく ★「被る」は、「〜するときにしくじる」「〜に失敗する」という意味。 用例:伎・上総綿小紋単地−六幕「五十か六十いつでも買ひかぶらあ」 2.人や物を、実質以上に高く評価したり、信用したりする。 類:●過大評価 例:「そんなに買い被られては困ります」 用例の出典:上総綿小紋単地(かずさめんこもんのひとえじ) 歌舞伎。河竹木阿弥。通称「上総市兵衛」。・・・調査中。
・櫂が回る(かいがまわる) 金回りが良い。暮らし向きが楽である。また、自由が利く。 用例:浮・好色万金丹−三「情の海には弘誓の船も械(カイ)がまはらず」 用例の出典:好色万金丹(こうしょくまんきんたん) 浮世草紙。夜食時分著。元禄7年(1694)。・・・調査中。
・貝殻で海を測る(かいがらでうみをはかる) 小さな貝殻で海の水を汲んで海水の量を測るという意味で、狭い見聞、知識しか持ち合わせていないのに大問題を議論すること。 出典:「漢書−東方朔伝」「以天、以蠡測海、以寰撞鐘」
・会稽の恥(かいけいのはじ)
・邂逅相遇(かいこうそうぐう) 《四熟》 偶然の出会い。思い掛けずひょっこりと巡り会うこと。 出典:「詩経−国風・鄭」「清揚婉兮、邂逅相遇、適我願兮」
・骸骨を乞う(がいこつをこう) 仕官中主君に捧げた身の残骸を乞い受けるという意味から、官から退(しりぞ)くことを請う。辞職を願い出る。 出典:「史記−陳丞相世家」・「晏子春秋−外篇」
・解語の花(かいごのはな)
・鎧袖一触(がいしゅういっしょく) 鎧(よろい)の袖で一触れするということで、その程度の力で簡単に相手を負かすこと。
・懐柔策(かいじゅうさく) 巧く丸め込んで人を自分の思い通りに従わせる策。
・外柔内剛(がいじゅうないごう) 表面は優しく見えて、実際は意志が強いこと。 反:■内柔外剛
・甲斐性なし(かいしょうなし) 稼(かせ)ぎがなく頼もしくないこと。また、その人。 ★「甲斐性」の「甲斐」は、「効(かひ)」からの転かという。
・灰燼に帰す(かいじんにきす)[=と化す] 跡形もなく燃え尽きる。 類:●元の木阿弥●水泡に帰す
・会心の笑み(かいしんのえみ) 心から満足したとき自然に出る微笑(ほほえ)み。 例:「会心の笑みを浮かべる」
・会心の出来(かいしんのでき)[=作(さく)] 考え通りの出来上がりである。作り手が満足する出来である。また、その作品。 類:●自信作
・会心の友(かいしんのとも) 意気投合した友人。気心の通じた友人。
・蓋世の才(がいせいのさい) 世の中を覆い尽くすほどの優れた能力という意味で、意気盛んで一時代を覆うほどの優れた才能、または、それを持った人。 類:●気(き)世を蓋(おお)う 出典:「史記−項羽本紀」
・階前万里(かいぜんばんり) 軒先で起こったような出来事も、耳に入らなければ万里の遠方の出来事と同じである。天子たる者は地方の実情を良く知るべきだということの喩え。 出典:「管子−法法」「堂上遠於百里、堂下遠於千里、門廷遠於万里」 出典:管子(かんし) 中国、古代の政治論の書。24巻。春秋時代、斉の名政治家、管仲の著とされるが、実際は戦国時代末から漢代にかけて、何人もの論文を纏めたもの。政治、経済、軍事、教育の問題を論じる。