−かん(な)(kan5)−
・鉋屑へ火が付いたよう(かんなくずへひがついたよう) ぺらぺらと喋り捲(まく)る。 類:●油紙へ火のついたよう
・艱難辛苦(かんなんしんく) 《四熟》 辛(つら)い目や困難な目に遭って、苦しみ悩むこと。 例:「艱難辛苦を共にする」
・艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)
・寒に帷子土用に布子(かんにかたびらどようにぬのこ) 1.時節外れで、ものごとが逆さまであることの喩え。また、無益で無意味なこと。 類:●夏炉冬扇●夏の小袖 2.季節に合った衣服を着られないことの意。極めて貧乏であること。
・癇に障る(かんにさわる)[=触れる] 腹立たしく思う。気に入らない。 類:●癪に障る 例:「癇にさわることを言う」
・簡にして要を得る(かんにしてようをえる) 簡単でありながら、要領を得ている。
・感に耐える(かんにたえる) 1.非常に感動しても、それを、表情に表わさないこと。多くは、「感に耐えず」など下に打ち消しの語句を伴って、深く感動することを表わす。 用例:宇津保−俊蔭「かんにたへでおり走り」 2.(1.から転じて、打ち消しの形を取らないで) 深く感動すること。 用例:伽・梵天国「かんにたへてぞ聞きにける」 用例の出典:梵天国(ぼんてんこく) 御伽草子。室町時代の作と思われる。本地物。遍歴談。梵天王の娘とそれを娶(めと)った中納言の物語。後に浄瑠璃として語られた。
・間に髪を容れず(かんにはつをいれず) 1.間に髪の毛一本さえも入れる余地がない。ものごとに少しの隙間もないこと。2.ある事態が起きたとき、時を置かず、それに応じた行動に出ること。直(ただ)ちに。 同:間髪を入れず
・堪忍五両思案十両(かんにんごりょうしあんじゅうりょう) 腹の立つのを我慢すれば五両の得になり、ものごとを良く見極めて行動すれば十両の得になる。腹の立つのをじっと我慢し、よく考えて慎重に行動すれば、きっと良いことがあるという喩え。 類:●意見三両堪忍五両●御意見五両堪忍十両 参考:堪忍五両(かんにんごりょう) 江戸時代後期、間男(まおとこ)の謝罪として支払う金額が五両であった。姦通は双方とも死罪であったが、示談で収(おさ)めることもできた。当初は七両二分だったが、後に五両に定着した。
・堪忍袋の緒が切れる(かんにんぶくろのおがきれる)
・寒熱往来(かんねつおうらい) 《四熟》 病気で、始め寒けを感じ、次いで発熱する症状のこと。主に、漢方医学で使われる言葉。
・寒熱温涼(かんねつおんりょう) 《四熟》 漢方医学で、薬剤の温度による寒、温、熱、涼の四種類の性質を指す。 ★五行説による言葉で、平を加えて五性とすることもある<国語大辞典(小)>
・観念の臍を固める(かんえんのほぞをかためる) 「臍を固める」は決心することで、もうこれまでと覚悟すること。 類:●観念する
・肝脳地に塗る(かんのうちにまみる) 頭を砕かれ、腹を斬られて、脳髄、肝臓が土塗(まみ)れになるということで、惨(むご)たらしい殺し方をされること。また、無残な死に方をすること。 類:●肝胆地に塗る 出典:「戦国策−燕」「撃代王殺之、肝脳塗地」、「史記−劉敬伝」
・肝脳を絞る(かんのうをしぼる) ありったけの力や知恵を傾けて、誠心誠意ことに当たること。 類:●肝胆を砕く