−かん(は)(kan6)−
・汗背(かんぱい) 恥ずかしさで背中に汗を掻くこと。 出典:「史記−陳丞相世家」 「汗出沾背愧不能対」
・関白(かんぱく) 1.天子の政務に「関(かかわ)って意見を白(もう)す」の意。天子に奏上する前に、重臣に政治の意見を申し上げること。また、それを聞く重臣。 出典:「漢書−霍光」「諸事皆先関白光、然後奏御天子」 2.天下の万機を「関(あずか)り白(もう)す」の意。帝王の政務の全てに与(あず)かって、意見を言上(ごんじょう)すること。 用例:政事要略−三〇・仁和3年11月21日「皆関白於太政大臣」 3.平安時代に設置された令外の官で、天皇を補佐して政務を執行する重職。元慶8年(884)、光孝天皇が、藤原基経に、一切の奏文を天覧の前に、内覧、関白させたのが事実上の始まりで、のち職名となった。太政大臣の上。 ★近世まで「かんばく」<国語大辞典(小)> 4.比喩的に、権力や威力が強い者。 例:「亭主関白」 用例の出典:政事要略(せいじようりゃく) 平安中期の法令集収載文書。130巻。惟宗允亮(これむねのまさすけ)。寛弘5年(1008)頃の成立。平安時代の政務関係の諸制度を体系的に整理し、典拠を示して論評。
・間髪を容れず(かんはつをいれず・かんぱつをいれず)・入れず 1.髪の毛一本さえ入る隙間もない。2.事態が急迫して少しの猶予もない状況を指して言う。また、間を置かずに。直(ただ)ちに。 類:●間一髪●間に髪を容れず ★正しくは、「かん、はつをいれず」。 ★「間不容髪」を読み下した言葉<国語慣用句辞典(集)> 出典@:「文選−枚乗・諫呉王書」「其出不出、阨s容髪」 出典A:諫呉王書(ごおうをいさむるのしょ) 諫言文。枚乗(ばいじょう)。前漢。呉楚七国の乱を起こそうとした呉王への諫め文。呉王には受け入れられなかった。
・汗馬の労(かんばのろう) 1.馬に汗を掻かせて駈け回った働きという意味で、戦場で活躍した功労のこと。 類:●戦功●軍功 出典:「韓非子−五蠹」 2.ものごとを纏(まと)めるときなどに、駆けずり回る苦労のことを喩えて言う。物資を遠方まで運搬する苦労などのこと。 出典:「戦国策−楚」
・雁は八百矢は三本(がんははっぴゃくやはさんぼん)[=三文・三筋] 1.雁はたくさん飛んでいるのに矢は少ししかないということから、手に入れる手段が少ないことの喩え。また、どれを取ろうかと迷うこと。転じて、一か八か思い切ってやってみようということ。 2.僅かな元手で大儲けすることの喩え。 ★「矢は三本」が「矢は三文」「矢は三銭」と変化して三文の矢で八百文の値うちのある雁を射落とす<国語大辞典(小)>
・頑張る(がんばる) 1.ある場所を占めて動かない。 例:「入口で頑張っている」 2.困難に屈せず、忍耐して努力する。堪(た)え続ける。 類:●踏ん張る 例:「手伝いが来るまで一人で頑張る」 3.我意を張り通す。自説を曲げない。 類:●踏ん張る●突っ張る 例:「それは間違いだと言って頑張る」 ★「頑張る」は当て字。「我に張る」の転<広辞苑第四版(岩)> ★「眼張る」から出た語と考えられる<国語大辞典(小)> 参考:眼張る(がんばる) 1.たしかめて覚えておく。目をつけておく。*浄・軍法富士見西行‐二「目が見えずば声を眼ばって置いて下んせ」 2.見張りをする。目をこらして見る。*洒・根柄異軒之伝「大道をがんばって、かな釘一本でも落て居る物を拾ふ」<国語大辞典(小)> 参考用例の出典@:軍法富士見西行(ぐんぽうふじみさいぎょう) 浄瑠璃。並木千柳・小川半平・竹田小出雲。延享2年(1745)。放埒(ほうらつ)の裏に苦悩をひた隠す木曾義仲と、捨て去った妻子への愛慕に心弱る旅僧西行を描いたもの。 参考用例の出展A:根柄異軒之伝(ねがらいけんのでん???) 洒落本。・・・調査中。
・看板打つ(かんばんうつ) 看板を掲げること。転じて、世間に知れ渡ること。有名であること。
・看板倒れ(かんばんだおれ) 表面だけで実質が伴わないこと。また、そのもの。 類:●看板倒し●見掛け倒し
・看板に偽りなし(かんばんにいつわりなし) 看板に表記されている事が実際の物と違っていないという意味で、世間の評判や外観と、実物がまったく同じであることを強調していう。 反:■羊頭狗肉
・看板娘(かんばんむすめ) 店先にいて客を引き付けるような美しくて魅力のある娘のこと。
・看板持ち(かんばんもち) 人の傍(そば)に付き従って、その人の思いのままに行動すること。手先として振舞うこと。また、その人。 類:●お先棒を担ぐ
・玩物喪志(がんぶつそうし) 《四熟》 珍奇な物を弄(もてあそ)んで、それに溺れ、大切な志を失うこと。 出典:「書経−旅娉」「玩人喪徳、玩物喪志」 出典:書経(しょきょう) 中国の経書。五経の一つ。孔子の編という。古名は「書」、漢代以後「尚書」と呼ばれ、「書経」は宋代以後の名称。尭舜時代から秦の穆公に至る記録から、古代の政治における君臣の言行の模範とすべきものを集め、102編にまとめたもの。現行のものは東晋の梅の「孔安国伝古文尚書」58編であり、「偽古文尚書」といわれる。漢代には孔子の旧宅から発見された「孔壁古文」といわれる「古文尚書」58編と秦の博士伏生の伝えた「今文尚書」29編があったが、いずれも今は諸書に断片として伝わるだけである。
・完膚なきまでに(かんぷなきまでに) 無傷の部分がないほどに。 類:●徹底的に●残るところなく 例:「完膚無きまでに打ちのめす」
・完璧(かんぺき) 1.瑕(きず)のない宝玉こと。転じて、欠点のないこと。完全無欠で優れていること。 例:「完璧を期す」「完璧な警護」 2.大事なことを全うすること。大切なものを取り戻すこと。 故事:「史記−廉頗藺相如列伝」「王必無人、臣願奉璧往使。城入趙而璧留秦。城不入、臣請完璧帰趙」 参考:卞和の璧
・管鮑の交わり(かんぽうのまじわり)