−かな(kana)−
・鉄碇を下ろす(かないかりをおろす) 初産で男子が生まれたのを喜んで言う言葉。初産で長男が生まれれば、鉄の碇を下ろした船が流されないのと同じように、お家は安泰だという意味。
・鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)
・鼎の沸くが如し(かなえのわくがごとし) 鼎の中の湯が湧き返るように、多くの人が騒ぎ立てて混乱する様子。 類:●蜂の巣を突付いたよう
・鼎を扛ぐ(かなえをあぐ) 重い鼎を持ち上げるということから、力が強いこと。
・鼎を定む(かなえをさだむ) 帝国の都を定める。 故事:中国の夏(か)の禹王(うおう)が洪水を治めて開いた九つの地から銅を集めて九鼎(きゅうてい)をつくり、宝とした。
・金切り声(かなきりごえ・かなぎりごえ) 金属を切る音のように鋭くかん高い声。 類:●黄色い声
・金釘流(かなくぎりゅう) 金釘のように細くてひょろひょろしている下手な字を嘲っていう言葉。 類:●雀の足跡●雀の踊った足のよう●悪筆
・金轡を嵌める(かなぐつわをはめる) 賄賂(わいろ)を贈って口止めをすること。
・金糞をひる(かなくそをひる) 費用が掛かることをする。金銭を浪費すること。
・哀しんで傷らず(かなしんでやぶらず) 悲しみの情が強くても、度を過して調和を失うようなことにはならない。 出典:「論語−八」「子曰、関雎楽而不淫、哀而不傷」
・金槌の川流れ(かなづちのかわながれ)[=身投げ] 泳げない者が川に入ると浮かび上がらないということから、頭が上がらないこと。また、一生出世する見込みのないことの喩え。
・金壺眼(かなつぼまなこ) 落ち窪んで丸い目。怒った目付きや貪欲な目付きを指す。
・金棒引き(かなぼうひき) 1.昔の夜回りや警護のこと。また、その人。金棒を突き鳴らしていたことから。2.ちょっとしたことを大袈裟に触れ回ること。また、そういう者のこと。 用例:滑・浮世風呂−二「長屋中鉄棒引(カナボウビキ)とはなんの事た」
・金棒を引く(かなぼうをひく)[=引き摺(ず)る] ちょっとしたことを大袈裟に触れ回ること。 用例:洒・辰巳婦言「『誰(だ)がかな棒ひいた』『誰でもサ』」 用例の出典:辰巳婦言(たつみふげん) 洒落本。1冊。
式亭三馬。寛政10年(1798)。・・・詳細調査中。
・可成八合(かなりはちごう) 十分ではないが八割方可能だという意味。八分通り良いということ。
・叶わぬときの神叩き(かなわぬときのかみだたき)[=神頼み] 普段は神を拝(おが)んだことのない不信心者でも、思い通りにならない、困った時には、神の助けを借りようとして祈る。 類:●苦しい時の神頼み