−かん(を)(kanwo)−
・巻を追う(かんをおう) 書物を順に読み進んでゆく様子。
・棺を蓋う(かんをおおう) 死ぬことの喩え。人生を終えること。
・棺を蓋うて事定まる(かんをおおうてことさだまる) 生前の真価は死後になって初めて決まるものだということ。生きている間は公平な判断ができない。 類:●人事は棺を蓋うて定まる 出典:「晋書−劉毅」「丈夫蓋棺事方定」
・官を侵すの害は寒きよりも甚だし(かんをおかすのがいはさむきよりはなはだし) 己の職務を越えて他の領域まで手を出すことは、主君を寒さに震えさせておくことより重大な罪である。官吏(かんり)は無闇に職権を越えてはならないという戒(いまし)め。 類:●務めて官を越えず●庖人(ほうじん)庖を治めずと雖も尸祝(ししゅく)は樽俎を越えて之に代わらず 故事:「韓非子−二柄」「侵官之害、甚於寒」 戦国時代、韓の昭候(しょうこう)が酔い潰(つぶ)れて寝ていたとき、典冠(てんかん)がそれでは寒かろうと昭候に衣を掛けた。やがて目覚めた昭候は、一時それを喜んだが、衣を掛けるのは典衣(てんい)の職務で、典冠は職権を侵したことになるとして、両方とも罰した。 ★昭候の宰相(さいしょう)申不害(しんふがい)の法による。
・観を起こす(かんをおこす) 「観」は仏教語で、ものごとを深く見極めて、その本質を知り真理を会得すること。迷いの心を取り去って悟りの境地に至るとういうこと。
・願を掛ける(がんをかける) 神仏にものごとが叶うように祈願する。 類:●願を起こす●願を立てる●願に懸ける●願に立つ。
・勘を覆す(かんをくつがえす) 「勘」には、十分吟味し問い質(ただ)すという意味があり、ものごとや罪状などを何度も繰り返して調べること。 類:●勘覆(かんぷく)する
・願を立てる(がんをたてる) ものごとが叶(かな)うように神仏に祈ること。 類:●願を懸ける 用例:竹取「家に帰りて物を思ひ、祈をし、願を立つ
・款を通ず(かんをつうず) 1.親しい交わりをすること。 類:●誼(よしみ)を結ぶ 2.敵に内通すること。
・歓を尽くす(かんをつくす)[=極(きわ)める] この上なく歓びを感じること。十分に楽しむ。おおいに楽しみを交わすこと。 例:「一夕の歓を極める」
・勘を付ける(かんをつける) 素早く察知する。気を回す。 用例:洒・青楼五つ雁金−二「わるくかんでもつけるとわるいから」 用例の出典:青楼五つ雁金(せいろういつつかりがね) 洒落本。風流本。・・・詳細調査中。
・眼を付ける(がんをつける) 1.目を付ける。狙うべきものとして注目する。2.相手の顔をじっと見つめる。 ★不良仲間の言葉。
・甲を取る(かんをとる) 「甲」は音楽用語で、高い調子の声や音の部分を言う。楽器を演奏したり歌ったりするときに、高い調子をとること。