−かり(kari)−
・我利我利亡者(がりがりもうじゃ) 他人の迷惑などお構いなして、自分の利益ばかりを追い求める者を罵(ののし)って言う言葉。他人への思いやりがまったくない者。 類:●我利我利坊主●利己主義者
・仮初め(かりそめ) 1.永久でないこと。ほんの一時のこと。間に合わせ。 類:●その場限り●かりさま 例:「仮初めの縁」 用例:源氏−賢木「いたやどもあたりあたりいとかりそめなり」 2.実意なく疎(おろそ)かなこと。軽々しい様子。好い加減な様子。 類:●等閑(なおざり)●気紛れ 例:「仮初めに声を掛ける」「仮初めの恋」用例:古今−八四二「あさ露のおくての山田かりそめにうき世中をおもひぬるかな」 3.些細なこと。ちょっとしたこと。ふとしたこと。 例:「仮初めの病」「仮初めならぬ恩」 用例:源氏−須磨「かりそめの道にても、かかる旅をならひ給はぬ心地に」
・駆り出す(かりだす) 促(うなが)して引っ張り出す。 例:「溝掃除に駆り出される」
・借りてきた猫(かりてきたねこ) 普段とは違って、大変大人しくしている様子。 ★英語では、「as meek as a lamb」「as quiet as a mouse」などと言う。
・雁の玉梓(かりのたまずさ)・玉章[=便り] 手紙、消息。 類:●雁書
・雁の使い(かりのつかい)[=伝(つて)・土産(つと)] 1.手紙を伝える使いとしての雁。 類:●雁金の使い 参照:雁書 2.転じて、手紙、消息。 類:●雁の玉章
・画龍点睛(がりょうてんせい・がりゅうてんせい)
・画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく) ほぼ完全な状態でありながら、重要な一点だけ不十分な個所があることの喩え。
・迦陵頻伽の雄鳥(かりょうびんがのおんどり) 実際にはこの世にいないものの喩え。 参考:「迦陵頻伽」は、極楽浄土にいるという鳥で、顔は美女のよう、声が非常に美しいという。美しい芸者や花魁(おいらん)、美声の芸妓を喩えても言った。
・臥龍鳳雛(がりょうほうすう) 地に伏す龍や鳳の雛(ひな)という意味で、今は時を得ず野(や)に隠れている英雄や大人物のこと。 出典:「資治通鑑−漢・献帝紀」「徳公嘗謂孔明為臥竜、士元為鳳雛、徳操為水鑑」