−かさ(kasa)−
・風穴を開ける(かざあなをあける) 槍や鉄砲で胸や腹を突き通すこと。また、その威(おど)し文句。 例:「どてっぱらに風穴をあけるぞ」
・笠一本(かさいっぽん) 僧侶が追放されること。 ★破戒僧の追放には傘一本だけ持つことを許されたところから<国語大辞典(小)>
・風上に置けぬ(かざかみにおけぬ) それを風上に置くと臭気が酷(ひど)くて困るというところから、卑劣な人間を憎しみ罵(ののし)っていう言葉。自分たちと同じ仲間と思われては心外(しんがい)であるほど、卑劣で見下げ果てた者である。 類:●面汚し 例:「教師の風上にも置けない」
・風口の蝋燭(かざくちのろうそく) 消え易いもののこと。儚いもののこと。 類:●風前の灯し火●風の前の灯火
・風下に居る(かざしたにいる・かざしもに〜) 1.人の影響下にいる。他人の流儀をただ真似(まね)るだけである。2.人に遅れを取る。 類:●後塵を拝す
・風下に笊(かざしもにざる) 労多くして功少ないこと。また、役に立たないこと。
・がさつ 1.言葉や動作が荒っぽく、落ち着きがないこと。 類:●粗暴 用例:甲陽軍鑑−品一二「此大将の様子は、大略がさつなるをもって、奢安うして、めりやすし」 例:「荷物をがさつに扱う」 ★口達者の意の「ごうそつ(江帥)」の変化という<国語大辞典(小)> 2.洗練されたところがなく、荒く雑な様子。 類:●粗野 反:■繊細 例:「がさつな性格」
・傘と提灯は戻らぬつもりで貸せ(かさとちょうちんはもどらぬつもりでかせ) 傘や提灯は必要な時は大変役立つが、不必要な時はとかく忘れがちである。用途の限られたものは、貸しても戻って来ないことが多いから、そのつもりでいろということ。 類:●人に貸すな唐傘●貸した物は忘れぬが借りた物は忘れる
・嵩に懸かる(かさにかかる) 1.優勢なのに乗じて攻め掛かる。勢いに乗ってものごとを実行する。2.相手を威圧するような態度を取る。高圧的に出る。 例:「嵩に掛かって押さえ付ける」
・笠に着る(かさにきる) 権勢のある者を頼んで威張る。また、自分が居る集団の権威を利用して他人に圧力を加える。 用例:中華若木詩抄−上「天子の御威光をかさにきて」 類:●虎の威を借る狐●甲に着る 用例の出典:中華若木詩抄(ちゅうかわかぎししょう) 室町時代末期に活動した、なかば謎の禅僧如月寿印が、中国の詩人と日本の禅僧の詩作(中華若木詩)に対し、註釈・解説を加えたもの。
・重ねておいて四つに切る(かさねておいてよつにきる) 密通した男女を一緒に処刑する。
・笠の台が飛ぶ(かさのだいがとぶ) 「笠の台」は、笠を乗せる台ということで頭のこと。 1.首を斬られること。2.仕事を辞めさせられること。罷免(ひめん)。
・笠の台の生き別れ(かさのだいのいきわかれ) 斬られて、首と胴とが別々になること。 類:●台座の別れ
・風吹き烏(かざふきがらす・かぜふきがらす) 風に吹き流されてあちこち飛ぶ烏という意味で、どこという宛てもなくうろつき歩く者。冷やかし客や浮浪者、また、当てにならない人を指して言う言葉。
・風見の烏(かざみのからす) 烏を象(かたど)った風見鳥のことで、高い所から見下ろすので、お高くとまり、威張っている者のこと。また、風に吹かれて回転するので、くるくる良く回ることの喩えにも用いる。 類:●材木屋のとんび
・風向きが悪い(かざむきがわるい) 1.形勢が悪いという意味で、その人が置かれている立場が不利になるようにものごとが進行すること。2.人の、機嫌が良くない。
・飾りを下ろす(かざりをおろす)[=落とす] 髪を剃(そ)って僧や尼(あま)になる。 類:●落飾(らくしょく)する
・笠を揚げる(かさをあげる)[=揚ぐ] 笠を脱いで高く掲げるということで、降参すること。 類:●白旗を揚げる