−かた(か)(kata2)−
・肩が怒る(かたがいかる) 1.肩が上がって角張っているという意味から、得意な気持ちになる。肩身が広くなる。 類:●肩身が怒る 2.肩が角張っている。怒り肩になっている。 類:●肩が張る
・肩書き付き(かたがきつき) 1.社会的な地位や身分を示す肩書きが付いていること。また、そういう偉い人物。2.悪事などのはっきりした前歴を持っていること。また、その人。
・がたが来る(がたがくる)[=いく] 1.機械などが、古くなって正常に動かなくなる。機械の調子が悪くなる。 例:「うちの雨戸はがたが来ている」 2.身体や組織などについて、あちこち調子が悪くなる。老い耄(ぼ)れる。 類:●ぽんこつになる 例:「50歳を越えたころから、がたが来始めた」 ★「がたがた」という音から派生した俗語。
・方が付く(かたがつく) ものごとの処理が終わる。 類:●落着する●決まりが付く 例:「事件の方が付く」
・方が塞がる(かたがふたがる・ふさがる) 1.陰陽道で、その方位が塞がりとなる。2.その方向へ行けなくなるという意味から、不義理や仲違いなどをしたため、その人の所へ行き難(にく)くなる。
・肩代わり(かたがわり) 1.駕籠(かご)かきなどが、担ぐのを他の者と交代すること。2.負債や面倒な仕事などを、他に代わって引き受けること。また、他に代わって貰うこと。 例:「借金の支払いの肩代わりをしてもらう」
・堅気(かたぎ) 1.心がしっかりしていて、真面目である。浮薄でなく、物堅い性格である。 類:●律義●生真面目 用例:伎・戻橋脊御摂−三立「貴殿も堅気(カタギ)をお云やらずと、〈略〉随ひ召さるがまあ当世」 2.水商売やばくち打ち、やくざなどに対して、仕事がまともで、堅実であること。また、そういう職業。 用例の出典:戻橋脊御摂・戻橋背御摂(もどりばしせなにごひいき) 歌舞伎。鶴屋南北作の四段目外題。文化10年(1813)市村座。3幕4場。土蜘蛛の精やら鬼やらなんやら。世の中化け物だらけ。 参考:戻橋(もどりばし) 歌舞伎所作事。常磐津。1幕。河竹黙阿弥作詞。六世岸沢式佐作曲。初世花柳寿輔振付。明治23年(1890)東京歌舞伎座初演。渡辺綱が、一条戻橋で美女に化けた愛宕(あたご)山の鬼女と道連れになるが、間もなく正体を見破ってその片腕を切る。新古演劇十種の内。
・堅き氷は霜を踏むより至る(かたきこおりはしもをふむよりいたる) 1.霜を踏む時節となると、まもなく堅い氷に閉ざされる冬が来るということ。何事も兆(きざ)しを見たら早く準備をせよということの喩え。 類:●霜を踏んで堅氷至る 出典:「易経−坤卦」「履霜堅氷至」 2.小さな事が積もり重なって大事になるということ。
・敵の内に来ても口を濡らさずには帰るな(かたきのうちにきてもくちをぬらさずにはかえるな) 出された湯茶や酒は必ず飲んで行くべきだということ。
・敵役(かたきやく) 1.劇の中で、悪人として登場する役。または、その人。 類:●悪役●悪がた●敵 2.他人から憎まれるようなことを、敢えて行なう役目。また、その人。 類:●憎まれ役
・仇を打つ(かたきをうつ)[=取る] 1.(特に江戸時代) 主君や父、夫などが殺された場合、臣下や近親の者が恨みを晴らすために、その相手を殺す。2.他人に何かやられたことに対して、仕返しをする。
・片口聞いて公事を分くるな(かたくちきいてこうじをわくるな) 一方だけの言い分を聞いて判定を下(くだ)してはいけないということ。訴訟(そしょう)の裁定は公平でなければならないから、必ず両方の言い分を聞いて判定を下せということ。 類:●一方聞いて下知をすな●両方聞いて下知をなせ ★「片口」は片方の言い分。「公事」は訴訟(そしょう)のこと。
・硬くなる(かたくなる) 精神が緊張しすぎて、身体や心の働きがぎごちなくなる。
・火宅の車(かたくのくるま)[=車舟(くるまぶね)・出車(しゅっしゃ)] この世の迷いを逃れるための仏の教えを指す。 故事:「法華経−譬喩品」 火災の起こった家の中で遊んでいる子供を救うために、父親が門外に羊車・鹿車・牛車があるといって救い出した。
・堅苦しい(かたくるしい) 1.態度や人柄などが、生真面目(きまじめ)で厳格過ぎる感じである。形式ばっていて、気楽に振舞えない。 類:●しかつめらしい 例:「堅苦しい挨拶はそのくらいにして」 2.文章や話し方考え方などに、柔らか味が乏しく、親しめない感じである。 例:「堅苦しい文章」 ★「かたぐるしい」とも<国語大辞典(小)>