−かた(さ)(kata3)−
・忝い(かたじけない) 1.高貴な者が、卑しい者に接してくれて勿体(もったい)ない。恐縮だ。申し訳ない。 類:●恐れ入る●恐れ多い 用例:宇津保−藤原の君「かく一人住みし侍るを、かたじけなくとも渡りおはしましなんや」 2.尊ぶべき者と比べて、自分が恥ずかしい。我が身が面目(めんぼく)ない。 用例:続日本紀−宝亀三年五月二七日・宣命「天の下の百姓の思へらまくも恥づかし、賀多自気奈志(カタジケナシ)」 3.分(ぶん)に過ぎた恩恵や好意や親切を受けて、有り難い。 用例:源氏−桐壺「身にあまるまでの御心ざしの、よろづにかたじけなきに」
・肩透かし(かたすかし) 1.相撲四十八手の一つ。相手が押し返す機を捉(とら)え、足を引くと同時に差手を抜き、身体を開いて泳がせて引き倒す技。2.比喩的に、意気込んで立ち向かってくる相手を、うまく逸(そ)らすこと。厳しい質疑をはぐらかすときなどにも言う。 類:●拍子抜け 例:「肩透かしを食らわす」 ★多く、「食らわせる」「食わせる」などを伴なって使う。 3.取引相場で、一方の人気に追従し、または煽(あお)りながら、陰で手仕舞(てじま)うこと。
・固唾を飲む(かたずをのむ) 事の成り行きを緊張して見守っている様子。 類:●気を呑む 用例:太平記−一〇「敵御方諸共に、難唾(カタヅ)を呑で汗を流し、是を見物してぞ、扣(ひか)へたる」 ★「固唾」は、緊張する時などに口中に溜まる唾のこと。
・肩背苦し(かたせくるし) 肩や背が苦しいほど、気が滅入(めい)る。