−かを(kawo)−
・柯を伐り柯を伐り其の則遠からず(かをきりかをきりそののりとおからず) 斧の柄にする枝を伐り取るのに、その大小長短は手元の斧の柄を手本にすればよい。よい手本となるものは身近にあるものだということ。 類:●殷鑑遠からず 出典:「詩経−广風・伐柯」「伐柯伐柯、其則不遠、我覯之子、尠豆有践」
・我を折る(がをおる) 意地を張ることを止め、他人の意見、指示などに従うこと。 類:●我意を曲げる●恐れ入る●角を折る
・蚊を殺すにはその馬を撃たず(かをころすには) 馬に停まった蚊を殺すために、馬まで傷付けてはなんにもならない。手段のために、根本の目的に悖(もと)るようなことは無意味であるという戒め。転じて、小事にかかずらって大事を忘れるなということ。
・華を務めて根を絶つ(かをつとめてねをたつ) 花を綺麗に咲かそうとして、却(かえ)って根を駄目にしてしまう。栄華にばかり目を奪われて、己の命を失ってしまうことの喩え。 出典:「史記−日者列伝」「王墮馬薨、誼不食、毒恨而死、此務華絶根者也」 ★司馬遷が、努力しながらも挫折した賈誼(かぎ)や宋忠(そうちゅう)を評した言葉。
・我を張る(がをはる)[=通(とお)す] 自分の思うことを押し通す。固執する。 類:●鷺を烏●這っても黒豆
・駕を枉ぐ(がをまぐ) 貴人が態々(わざわざ)訪れること。来訪することの尊敬語。 用例:明月記−治承四年九月二一日「大納言殿、右兵衛督、各被枉駕」 類:●枉駕(おうが) 用例の出典:明月記(めいげつき) 鎌倉初期、藤原定家の漢文体日記。その記事は治承四年(1180)から嘉禎元年(1235)に至るが、脱落している部分も多い。公武関係の事柄や和歌・故実について詳細に記されており、史料的価値は極めて高い。「照光記」とも。