−けん(か)(ken2)−
・狷介孤高(けんかいここう) 自分の意志を固く守って、人々から離れ品格を高く保っていること。俗世に超然としていること。 参考:狷介(けんかい) 心が狭く、自分の考えに固執し、人の考えを素直に聞こうとしないこと。
・狷介固陋(けんかいころう) 《四熟》 新しいことを採り入れず、頑迷なまでに古いことに固執すること。また、人のことを受容せず、狭い視野に捉われている様子。 類:●頑迷固陋●狷介孤高●狷介孤独●狷介不屈●孤独狷介●風岸孤峭
・喧嘩腰(けんかごし) 今にも喧嘩を始めそうな強い態度。食って掛かるような態度。 例:「喧嘩腰で出迎える」
・喧嘩過ぎての棒乳切り(けんかすぎてのぼうちぎり) 喧嘩が終わった後に棒切れを持ち出しても役に立たないということで、時機を逸して効果がないこと。 類:●泥棒を見て縄を綯う
・犬牙相制(けんがそうせい) 隣り合う二国の境を犬の牙が噛み合うように入り組ませて、お互いに牽制させること。 出典:「史記−孝文本紀」
・喧嘩に被る笠はなし(けんかにかぶるかさはなし) 喧嘩はいつ身に降り掛かってくるか分からないものだから、それを防ぐ方法はない。
・喧嘩の側杖(けんかのそばづえ) 喧嘩を傍(そば)で見ていて、その打ち合う杖に当たること。転じて、自分に関係のない他人の間の紛争に巻き込まれ、とばっちりを受けること。 類:●とばっちり●側杖を食う
・懸河の弁(けんがのべん)[=雄弁(ゆうべん)] 早瀬のように勢いが良く、すらすらと淀みのない弁舌。 類:●快弁●立て板に水●立て板に豆 反:■横板に雨垂れ 出典:「晋書−郭象伝」
・喧嘩は降り物(けんかはふりもの) 喧嘩は、雨や雪のように、いつ身に降り掛かってくるか分からない。 類:●喧嘩に被る笠はなし
・喧嘩早い(けんかばやい)・喧嘩っ早い 何かに付けて、すぐ喧嘩するという意味で、常に争い事を起こす、気短で乱暴な性格の者。
・剣が峰(けんがみね) 1.火山の噴火口の周辺。主として富士山頂のものを指す。2.相撲で、土俵の円周を形作る俵の表面。3.少しの余裕もない、絶体絶命の状態。 例:「剣が峰に立たされる」 類:●絶体絶命
・喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい) 1.中世、近世において、喧嘩をした者は、理非に関わらず、両方とも同じように処罰すること。 ★喧嘩両成敗法は、文安2年(1445)の藤原伊勢守のものが、最初という<国語大辞典(小)> 2.喧嘩や争いを、どちらの主張をも認めない形で落着させること。
・喧嘩を売る(けんかをうる) 1.喧嘩を仕掛ける。2.自分に仕掛けられた喧嘩を他人に擦(なす)り付けて逃げる。
・喧嘩を買う(けんかをかう) 1.仕掛けられた喧嘩の相手をする。2.他人の喧嘩に関係して、それを引き受ける。好んで喧嘩の相手になる。
・玄関を張る(げんかんをはる) 玄関の構えだけを立派にすることから転じて、外観を飾ること。見栄を張ること。 類:●態度を構える
・牽牛花(けんぎゅうか・けんごか) 朝顔の花。 故事:大事な牛を牽(ひ)いていって薬草である朝顔に替えた。
・献芹之意(けんきんのい) つまらない野草を奉(たてまつ)ろうという気持ち。転じて、人に物を贈るときの謙遜の言葉。また、目上の人に対し、自分の意見を言うことの謙遜語。 類:●野人芹を献ず●寸志●粗品 出典@:「列子−楊子」「以献君、《略》戎菽・甘[台/木]茎・芹萍子者、対郷豪称之」 出典A:「呂氏春秋」「野人美芹、願献之至尊」
・牽強付会(けんきょうふかい) 道理に合わないことを、自分に都合が良いように無理にこじつける。
・現金(げんきん) 1.現にその場にある手持ちの金銭。有り金(がね)。 類:●現生(げんなま)●現銭●現銀 2.通用の貨幣。 例:「現金で支払う」 ★証書、手形、債権または目録などに対していう<国語大辞典(小)> 3.金銭をその場で受け渡しすること。また、その金銭。即座に受け渡しのできる金銭。4.目先の利害によって、その態度や主張などをがらっと変えること。また、その様子。 類:●現銀 用例:歌謡・松の葉−四「こは現金なる御慇懃」 例:「現金なやつだぜ、まったく」 5.簿記で、通貨・小切手・送金為替手形・預金手形・郵便為替証書・振替貯金払出証書・公社債利札などの総称。 用例の出典:松の葉(まつのは) 歌謡集。5巻。秀松軒編。元禄16年(1703)刊。主として江戸初期から元禄までの三味線声曲の歌詞を三味線組歌・長歌・端歌・吾妻浄瑠璃・古今百首投節に分類して各巻に収めたもの。
・堅苦卓絶(けんくたくぜつ) 《四熟》 苦しみに耐え抜く根性がずば抜けている。その人が、抜きん出た忍耐力を持ち合わせていること。 類:●堅忍不抜●堅忍持久●志操堅固●鉄心石腸
・舷舷相摩す(げんげんあいます) 船と船とが互いに舷側を擦り合わせるほど接する。激しい船と船との戦いの様子を表わす。
・喧喧諤諤(けんけんがくがく) 様々な意見が出て、口喧しい様子。 例:「喧喧諤諤として結論を得ない」 ★「喧喧囂囂(けんけんごうごう)」と「侃侃諤諤(かんかんがくがく)」との混交語<国語大辞典(小)>
・喧喧囂囂(けんけんごうごう) 喧(やかま)しく騒がしい様子の形容。多くの人が口喧しく騒ぎ立てている様子。
・言言句句(げんげんくく) 一言一句、言葉の端々に至るまで、という意味に用いる。
・言言肺腑を衝く(げんげんはいふをつく) 一語一語に熱意が篭もっていて、聞く人の心の中に染み込んでいく。
・蹇蹇匪躬(けんけんひきゅう) 自分の身を顧(かえり)みないで君主に忠節を尽くすこと。
・拳拳服膺(けんけんふくよう) 心の中に銘記して常に忘れないこと。 類:●肝に銘ず
・涓涓塞がざれば終に江河となる(けんけんふさがればついにこうがとなる) 「江河」は、揚子江と黄河のことで、大河の意味。小さな流れも小さい間に堰き止めなければ、ついには大河となる。 出典:中庸(ちゅうよう) 中国の経書。四書の一つ。1巻。子思撰と伝える。「礼記」から中庸篇を独立させたもの。天人合一の真理、中庸とその具体的な運用である誠を説き、先行の儒学説を総合整理して体系化し形而上学的根拠を明白にしている。後世、朱子編の「中庸章句」が多く世に行われた。
・言行一致(げんこういっち) 言う事と行ないが一致しているという意味で、言った言葉に責任を持って必ず実行すること。 反:■言行不一致
・言語に絶する(げんごにぜっする・ごんごに〜) 程度が甚だしくて言葉で言い表せない。 類:●空前絶後
・乾坤一擲(けんこんいってき) サイコロを投げて、天が出るか地が出るかを賭けること。運命を賭けるような大仕事や大勝負をすること。 類:●一擲乾坤を賭す 出典:韓愈の詩「鴻溝を過ぐ」