−けん(さ)(ken3)−
・源氏名(げんじな) 1.「源氏物語」五四帖の題名に基づいて、宮中の女官に賜(たま)わった称号。のち、大名や高家の奥女中にもこの風習が伝わった。 ★早蕨(さわらび)典侍、榊(さかき)命婦など。 2.江戸時代、遊女が本名のほかに付けた呼び名。当初は「源氏物語」の巻名に基づいていたが、段々関係のない名称にも言うようになった。3.現代では、遊女だけでなく、バーやキャバクラのホステスの呼び名なども指す。「源氏物語」の巻名に拘(こだわ)らずに付ける。
・懸車之年(けんしゃのとし) 《四熟》 年老いて官職を辞すること。七十歳の別称。昔は七十歳になると官職を辞すのが常であった。 類:●致仕之年 出典:「白虎通義−致仕」「臣七十懸車致仕者、臣以執事趨走為職、七十陽道極」 故事:「漢書−薛広徳伝」 中国、前漢の薛広徳(せつこうとく)が官を辞した時、天子から賜(たま)わった車を高く懸け、子孫に伝えた。 出典:「白虎通義−致仕」「臣七十懸車致仕者、臣以執事趨走為職、七十陽道極」 出典:白虎通義(びゃっこつうぎ) 五経の解釈書。班固(はんこ)撰。4巻。後漢の章帝の建初4年(西暦79)に学者を北宮の「白虎観」に集め、経書の文字や解釈の異同について論議させ纏めた「白虎通徳論」を、班固に整理させたもの。古義や旧聞を爵・号・喪服等の44編に分けた。『白虎通』とも。
・賢者は中道を取る(けんじゃはちゅうどうをとる) 教養のある賢い人は、偏(かたよ)らない中正な道を歩むもので、過激な行動はしないものである。
・賢者は長い耳と短い舌を持つ(けんじゃはながいみみとみじかいしたをもつ) 賢(かしこ)い人は、他人の言うことをよく聞いて、言わなくても良いようなことは言わないものである。 類:●賢者は九聞いて一喋る 出典:西洋の諺
・賢者饑し伊達寒し(けんじゃひだるしだてさむし) 賢者は俗人と妥協しないから常に貧乏がちであり、伊達者は見栄(みえ)を張って薄着しているから寒い思いをする。世間並みのことをしないと辛(つら)い思いをするという喩え。痩せ我慢や見栄を張るのはほどほどが良いということ。 類:●遠慮饑し伊達寒し
・堅守自盗(けんしゅじとう) 《四熟》見張り番がその立場を利用して盗みを働くこと。公金などを横領(おうりょう)着服(ちゃくふく)することの喩え。
・謙譲の美徳(けんじょうのびとく) 人を先に立てて自分は出しゃばらないという美しい行為。また、それを善しとする精神。 ★中国から伝わって日本に定着した、儒教(じゅきょう)的美意識による。現在の中国には見当たらない。
・原心定罪(げんしんていざい) 《四熟》 人を処断するときは、本人の動機や心理を良く究明し、それに基づいて罪刑を決定するということ。 ★「心を原(たず)ねて罪を定む」と読み下す。中国・春秋時代の断罪の法。 出典:「漢書−薛宣朱博伝」「春秋之義、原心定罪」
・堅石白馬(けんせきはくば) → 堅白同異